2008 Fiscal Year Annual Research Report
スクイーズド光を利用した第3世代レーザー干渉計重力波検出器
Project/Area Number |
20200046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坪野 公夫 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (10125271)
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Keywords | 重力波 / スクイーズド光 / レーザー干渉計 / 量子光学 / 宇宙物理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、スクイーズド光を用いてレーザー干渉計重力波検出器の標準量子限界を打ち破り第3世代重力波検出器の可能性を切り開くことである。具体的には、レーザー干渉計重力波検出器のダークポートにスクイーズされた真空場を注入することによりショット雑音を下げるというものである。 今年度はまずスクイーズド光の理論的解析を進めた。特に、スクイーズド光発生のプロセスを追うことにより、数値シミュレーションをとおしてスクイーザーの最適設計を行った。これにより非線形結晶の種類や形状などのパラメータが決定されたので、必要な光学部品を発注した。非線形結晶PPKTPや光学部品が揃った段階で、システムの製作を開始した。光源としては波長1064nmのNd : YAGレーザーを使用するので、倍波はグリーンの532nmとなる。レーザーからの光はsecond-harmonic generator (SHG)で波長532nmに変換され、その光をoptical parametric oscillator (OPO)に入射してスクイーズド真空場を作り出す。この部分がスクイーザーの機能である。SHGの効率を上げるためには非線形結晶PPKTPの温度制御が必要なため、ペルチェ素子を用いた温度制御装置を開発した。これにより十分安定にSHGが動作し、きれいな倍波が得られるようになった。これと平行してOPOの設計も開始し、ここで用いる共振器のサイズやミラーの曲率、反射率などが決定された。また、本研究はクリーンな環境を必要とするので、クリーンブース設置や部屋環境の整備を行った。これによって今後、高度な光学実験を実施できる条件が整った。
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Research Products
(4 results)