2009 Fiscal Year Annual Research Report
スクイーズド光を利用した第3世代レーザー干渉計重力波検出器
Project/Area Number |
20200046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坪野 公夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10125271)
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Keywords | 重力波 / スクイーズド光 / レーザー干渉計 / 量子光学 / 宇宙物理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、スクイーズド光を用いてレーザー干渉計重力波検出器の標準量子限界を打ち破り第3世代重力波検出器の可能性を切り開くことである。具体的には、レーザー干渉計重力波検出器のダークポートにスクイーズされた真空場を注入することによりショット雑音を下げるというものである。 昨年度に引き続き、スクイーザーの効率向上を目指して研究が進められた。SHGに関してはほぼ設計通りの結果が得られたので、つぎにOPOの設計にとりかかった。OPOのいくつかのパラメータに関してパラメータ空間でモンテカルロ法で最適解を探した。その結果、SHGから洩れてくる基本波成分の大きさに強く依存することが判明した。この洩れが1μWあるとすると、スクイージングファクターは6dBより上がらないという結果になった。そこで、SHGの後に基本波のみを反射して倍波は透過する2色のミラーを5枚挿入することで、基本波成分を1nWまで落とすことにした。これにより計算上は、10dB以上のスクイージングファクターが得られるはずである。ただ、散乱光などが直接OPOに入り込む可能性もあるので、光学系の配置には十分注意をする必要があることがわかった。 またその後の研究を進める中で、非線形結晶の光学特性評価において熱条件が重要なファクターであることが判明した。これを詳しく調べるためには、様々な熱条件で光学特性を測定する必要である。これが重要なのは、熱環境によって最適条件が得られれば、かつてないスクイージングファクターを達成することが可能であると期待されるからである。ペルチェ素子とサーボ回路を利用した結晶の温度制御を実施することにより、熱環境の最適条件が求まり、かつその状態を維持することが可能になった。
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Research Products
(4 results)