2010 Fiscal Year Annual Research Report
面不斉メタロセン錯体の触媒的不斉合成法の開発とその応用
Project/Area Number |
20200051
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小笠原 正道 北海道大学, 触媒化学研究センター, 准教授 (70301231)
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Keywords | メタロセン / 不斉合成 / 面不斉 / 均一系触媒 / 有機金属錯体 / 遷移金属触媒 / 光学活性 / メタセシス |
Research Abstract |
面不斉フェロセニルホスフィンppfaなどの不斉配位子に代表されるように、「面不斉」を有する化合物は効果的な不斉テンプレートであり、有用な不斉触媒・不斉試薬となることが知られている。このような面不斉化合物の有用性にもかかわらずその触媒的不斉合成の成功例は非常に少なく、未開拓な分野として残されている。この様な現状をふまえ本研究では、(1)面不斉メタロセン錯体の触媒的不斉合成法の開発、(2)開発した反応により得られる面不斉メタロセン類の応用、の2つを目的とする。本年度の一つ目の成果として「面不斉メタロセニルホスフィン誘導体」の不斉合成(速度論分割)がある。不斉モリブデン触媒を用いる事により、面不斉メタロセニルホスフィン類を90%eeを越える高いエナンチオ選択性で得ることに成功した。ここで得られた面不斉メタロセニルホスフィン類は、再結晶により光学純品とすることができ、それらを不斉配位子として応用可能した。その結果、ロジウム触媒不斉1,4-付加反応において90%eeを越える非常に高いエナンチオ選択性を示すことを見出した。二つ目の成果として、「同一環に非対称に置換した1,2-ジアリルメタロセンを基質とする面不斉メタロセンの速度論分割」がある。この反応は、従来の架橋型のメタロセン合成反応と異なり、面不斉インデニルメタロセン誘導体を高いエナンチオ選択性で与える。また、基質中にホスフィンなどの官能基を導入する事も容易である。三つ目の成果としては、面不斉(アレーン)クロム錯体の速度論分割がある。モリブデン触媒不斉メタセシス反応は、メタロセン基質のみならず、他の面不斉遷移金属錯体の不斉合成へも応用可能であることを示した。
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Research Products
(18 results)