2011 Fiscal Year Annual Research Report
身体運動と言語を統一した人間・機械コミュニケーションの成立
Project/Area Number |
20220001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 仁彦 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (20159073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 渉 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (30512090)
神永 拓 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教 (90571571)
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Keywords | 知能ロボット / 統計推論 / 自然言語処理 / 脳型情報処理 / 身体感覚 / ヒューマノイドロボット / コミュニケーション |
Research Abstract |
23年度に計画した各課題について、それぞれ以下のような研究成果を得た。 (1)身体運動コーパスの構築 マーカレスモーションキャプチャ法として単一カメラを用いる方法と距離画像を用いる方法を開発した。身体運動コーパスの構築環境を開発し、データの蓄積を開始した。 (2)人間の深部身体感覚の推定とその構造化 簡略化しない詳細筋モデルでのリアルタイム計算および、皮膚感覚を含めた神経筋骨格モデルの計算アルゴリズムを新たに開発した。データベースによって推定された筋活動度を用いて、筋張力の最適化をおこなう方法を開発した。 (3)自己とモノ.自己と他者の間の関係性コーパスの構築 ロボットに搭載した距離画像カメラを用いて物体情報を切り出して取得する自己=モノ行動連想システムの開発をおこなった。自己の他者の関係を組み込んで自己の行動を決定する問題について研究を行い、人とのすれ違い動作の生成に新たな成果を得た。この方法を多重推論に用いることにより、自己と他者の関係が生まれると考えている。 (4)自然言語の情報処理と身体運動の情報処理の融合 自然言語による動作説明文と、日常的な身体運動との組み合わせからなる運動記号467個、自然言語の単語241個を用いた動作説明文764文のデータセットを構築した。 (6)自然言語と身体感覚でコミュニケーションするヒューマノイドの開発 ヒューマノイドロボットの歩行パターンを収束計算を行わずに決定する解析的計算法を開発した。これをHRP-4に実装し歩行パターンを柔軟に変化させられることを確認した。自然言語の文章から、ヒューマノイドの全身動作を連想し、それを干渉計算や物体の位置情報などによって現実の物理世界に矛盾のない動作に修正し、動作を実現するまでの実装のプロトタイプを実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
マーカレスモーションキャプチャの開発によって身体運動コーパスの構築に進展があった。人間の深部身体感覚の推定の計算アルゴリズムの開発において大きな進展を見せた。この成果は24年3月の国内学会において最優秀論文賞を受賞した。関係性コーパスについては、自己とモノ、自己と他所の扱いについて基本原理が確立され、順調な進展であった。運動記号と自然言語のデータセットのプロトタイプができたことは本研究の根幹にかかわる重要な進展であった。ヒューマノイドロボットHRP-4を用いた実験環境の整備が完成し、それを用いた研究の統合を始めることができたことは大きな進展である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更や問題点は特にない。最終年度の24年度には、(1)-(4)を(5)に統合する点に注意しながら、身体運動と言語を統一した人間・機械コミュニケーションのシステムとしての基盤技術の完成度を高めることを方針とする考えである。
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Research Products
(60 results)
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[Presentation] 全身筋張力推定に基づく達人の身体技能の可視化2011
Author(s)
池上洋介, 鮎澤光, 柏木匠, 久保田奏, 吉松昭洋, 中村優介, 井深祐輝, 石川淳一, 洪舜傑, 李昌憲, ブレスデル・エレン, 中村仁彦
Organizer
シンポジウム:スポーツ・アンド・ヒューマン・ダイナミクス2011,B10
Place of Presentation
京都(査読なし)
Year and Date
20111031-20111102
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[Presentation] あん馬運動の解析2011
Author(s)
名和基之, 西脇一宇, 中村仁彦, 池上洋介, 鮎澤光, 後藤清志, 後藤大輔
Organizer
シンポジウム:スポーツ・アンド・ヒューマン・ダイナミクス2011,C10
Place of Presentation
京都(査読なし)
Year and Date
20111031-20111102
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[Presentation] 逆運動学を用いた実験マウス歩行パターンの解析2011
Author(s)
太田聡史, 池上洋介, 鮎澤光, 覚正信徳, 今川洋尚, 菱田寛之, 鈴木宏正, 小幡裕一, 姫野龍太郎, 中村仁彦, 吉木淳
Organizer
第34回日本神経科学大会・こころの脳科学,Vol.71,Sup.1, pp.e244
Place of Presentation
横浜(査読なし)
Year and Date
20110914-20110917
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[Presentation] Towards Fine-Grained Phenotypic Analyses of Motor Functions : The Inverse Kinematics of Mouse Gait Patterns2011
Author(s)
S.Oota, Y.Ikegami, K Ayrusawa, K.Mekada, N, Kakusho, H.Imagawa, H.Hishida, H.Suzuki, Y.Obata, H.Yokoda, R.Himeno, Y.Nakamura, A.Yoshiki
Organizer
25th IMGC, Mouse Genetics 2011, 73C
Place of Presentation
Washington DC, USA(査読なし)
Year and Date
20110621-20110625
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