2009 Fiscal Year Annual Research Report
アジア途上地域におけるPOPs候補物質の汚染実態解明と生態影響評価
Project/Area Number |
20221003
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
田辺 信介 Ehime University, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (60116952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 久人 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (10271652)
高菅 卓三 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 客員教授 (10451379)
高橋 真 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 准教授 (30370266)
仲山 慶 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 講師 (80380286)
滝上 英孝 国立環境研究所, 循環型社会・廃棄物研究センター, 室長 (00353540)
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Keywords | アジア途上地域 / POPs候補物質 / 環境汚染 / リスク評価 / 歴史トレンド |
Research Abstract |
POPs候補物質のPBDEs、HBCDs、PFOS関連物質、PCB水酸化代謝物さらにSCCPs(短鎖塩素化パラフィン)、エンドルファン等について分析法を開発し、前処理方法の改良やLC-MS/MSとGC-HRMS(EI及びNCI法)機器分析の高感度・高精度化と最適化を達成した。未知有機ハロゲン化合物の検索・同定等にはGC-(HR)TOFMSの有用性を確認した。TIEアプローチとしてバイオアッセイ/マイクロアレイ等と化学分析の統合評価から、未知の活性物質として臭素系化合物が示唆された。開発した分析法は本研究対象の実環境試料のモニタリングに順次適用し、インドやベトナムなどアジア途上国の廃棄物投棄場や電子・電気機器廃棄物(e-waste)処理施設から採取した土壌やダスト試料等を対象に、臭素系難燃剤(PBDEs、HBCDs)や臭素化ダイオキシン類(PBDD/Fs)などのPOPs候補物質を測定した。また、ダストについては、試料のダイオキシン様活性測定のためバイオアッセイ'DR-CALUX'を適用した。その結果、アジア途上国の廃棄物投棄場やe-waste処理施設周辺の環境において、先進国の工業地域に匹敵するPBDEs汚染の拡大が明らかとなった。また、e-waste処理施設のダスト試料からは、高濃度のPBDD/Fsが検出された。クロアシアホウドリのAHR/レポーター遺伝子アッセイ系を構築して、ダイオキシン類に対する同種の感受性を明らかにし、生態リスクを評価した。また都市港湾底質を対象に、核内受容体/レポーター遺伝子アッセイと化学分析の結果の関連性を解析し、アンドロゲン、エストロゲン、甲状腺ホルモン、プロゲステロン受容体原性とPCBs、BFRs濃度の間に関連性を見出した。さらに、マイクロアレイデータの新規解析法を確立し、グルココルチコイド受容体アゴニストに応答する遺伝子群を明らかにするとともに、それらの影響について評価した。
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