2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20221006
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
安藤 敏夫 金沢大学, 数物科学系, 教授 (50184320)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / AFM / 高速AFM / タンパク質 / ダイナミクス / 細胞 / 非接触 / 細胞内観察 |
Research Abstract |
本研究では、我々が世界に先駆けて開発してきた新しい顕微鏡(高速AFM)を完成させ、その生命科学における有効性・革新性を実証するとともに、細胞にも適用可能な更に革新的な高速AFM(非接触高速AFM、高速内視AFM)、及び、これらの装置の基盤となるTip走査型高速AFMを開発することを目指している。 (1)精製した生体分子の動的プロセスを観察する高速AFMは完成し、この装置を使って種々のタンパク質の動的プロセスの観察を行っている。本年度には、これらの観察結果の一部を論文で発表した(Natureなど)。 (2)細胞のように大きい試料に適用できるTip-走査方式の高速AFMを本研究で開発してきたが、2frames/sでイメージング可能な装置を試作した。速度を律しているカンチレバー支持具を色々検討したが、まだ十分な解決に至っていない。拡大機構付きスキャナーについては、逆伝達補償のダンピングを利用して最大で50μmの範囲を高速にXY走査可能となった。ヒステリシスの効果が顕著に現れるため、これを補償する手法を検討している。 (3)非接触で高速イメージングを可能にする原理の検討を行ってきたが、試料ステージを超音波で励振し、試料表面近傍の水の振動をカンチレバーで検出する手法で試験した。十分な非接触条件でイメージングできることを確認したが、探針先端での振動検出ではなくレバー部での検出と推定され、分解能は高くない。レバー形状、探針形状などを工夫し、探針での検出を可能にする方法を検討している。 (4)表面下構造(試料内部の構造)を観察可能とする原理の検討を先行研究に倣い行ってきたが、先行研究の像形成に関する解釈が間違いであると結論付けるデータを得た。そこで、既存の走査型超音波顕微鏡法を試験し、その改良によって目標とする機能を実現する可能性を検討した。
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Research Products
(44 results)