2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20224012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯崎 行雄 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90144914)
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Keywords | P-T境界 / G-L境界 / E-C境界 / 大量絶滅 / 同位体層序 / マントルプルーム / 地磁気 / ボーリング |
Research Abstract |
初年度から継続して、大量絶滅が起きたG-L境界周辺の連続地層試料を確保するため、2009年秋季に、宮崎県高千穂町皿糸および聖川において野外調査と3箇所でのボーリング掘削(合計150m)調査を行った。また昨年度掘削したクロアチア、ベレビット山地において追加の野外調査を行った。当初計画したスロベニアでの掘削計画がスロベニア側の研究情勢変化のため延期せざるを得なくなったため、かわりに2009-10年冬季に中国雲南省澄江地区においてE-C境界周辺の連続地層を対象に、詳細な野外調査を行い、3箇所でのボーリング掘削(合計250m)によってコア試料を採取した。コア回収率をあげるためダブルコアを使用した。中国の試料は分析に備えて、現地において整形がおわり、日本へ輸送された。昨年度採取した試料および今年度の高千穂の試料を用いて種々の化学分析とくに炭素、酸素およびストロンチウム同位体比の測定進めている。さらに堆積岩中に保存された微弱な古地磁気シグナルを検出することに成功し、極性反転のパタンを解明しつつある。これまでの研究で、以下の事柄が明らかになった。1)高千穂町のセクションとクロアチアのセクションは古生代末ペルム紀の堆積当時ほぼ地球の反対側に位置していたにもかかわらず、フズリナ、古生代サンゴそして巨大二枚貝が同じパタン・タイミングで繁栄や絶滅した。 2)炭素の安定同位体比の変化パタンも共通であった。 3)ペルム紀中期末の古地磁気の極性パタン変化(イラワラ・リバーサル)は世界対比が可能である。 4)G-L境界絶滅事件の原因としてグローバル寒冷化が考えられる。 これらの研究成果は、下記の7編の論文として、また国内外の学会において9回の口頭発表として部分的に公表された。
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Research Products
(16 results)