2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20224012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯崎 行雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90144914)
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Keywords | 大量絶滅 / P-T境界事件 / G-L境界事件 / E-C境界事件 / ボーリング掘削 / 同位体層序 / 古地磁気層 / プルームの冬 |
Research Abstract |
前年度から継続して、大量絶滅が起きたG-L境界周辺の連続地層試料を確保するため、中国および日本で野外調査を実施した。とくに冬季に、岐阜県本巣市大野町石山において野外調査とボーリング掘削(80m)調査を行った。コア回収率をあげるためダブルコアを使用し地層試料を効率的に採取するため水平堀りを行った。一昨年度および昨年度および今年度に採取下岩石試料を用いて種々の化学分析とくに炭素、酸素およびストロンチウム同位体比の測定進めている。これまでの研究で、以下の事柄が明らかになった。 1)岐阜県赤坂セクションと宮崎県高千穂セクションとの間でほぼ一対一の同位体層序の対比が確認され、両者が当時の超海洋中央部一般の情報を記録していることが判明した。 2)中国雲南省中央部、王家湾セクションのV-C境界直上の最下部カンブリア系の詳細な層序を明らかにした。 3)微化石の多様化がはじまる層準にリン酸塩岩の集中的堆積と不整合を初めて見いだし、おそらく短期の寒冷化がおきたこと、それがカンブリア紀初期動物群の急激な多様化を引き起こした可能性が推定される これらの研究成果は、下記の12編の論文として、また国内外の学会において7回の口頭発表として部分的に公表された。
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Research Products
(5 results)