2009 Fiscal Year Annual Research Report
価数不安定性をもつアクチノイド化合物に特有の新奇量子状態の研究
Project/Area Number |
20224015
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 憲昭 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 教授 (30170773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
網塚 浩 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40212576)
四竃 樹男 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30196365)
山村 朝雄 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (20281983)
芳賀 芳範 日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 主任研究員 (90354901)
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Keywords | 物性実験 / アクチノイド / 重い電子系 / 磁性 / 超伝導 |
Research Abstract |
初年度の試料評価装置の設置に引き続き、本年度には単結晶育成用のテトラアーク炉の更新を行った。これらを用いて、UCoGeに関する研究(京大・石田グループとの共同研究(NQR実験)を含む)を集中的に進めた結果、強磁性と超伝導のミクロな共存を明らかにすることができた。この成果は、J.Phys.Soc.Jpn.のeditor's choiceに選ばれ、また新聞(科学新聞、H22年3月5日付)でも報道された。 URu_2Si_2の高圧下精密磁化測定を行うために約3GPaまでSQUID及びファラデー法磁力計で使用可能な高圧セルを開発した。UBe_<13>の超伝導について[100],[110]方向の熱平衡磁化を初めて観測し、顕著な常磁性効果の存在を明らかにした。UPd_2Si_2の非整合-整合反強磁性転移の圧力相図を作成し、局在磁性モデルの適合性を議論した。 放射性物質測定用密封小型比熱測定装置を開発し、超伝導体NpPd_5Al_2の電子状態を調べた。上部臨界磁場において不連続な電子比熱の変化を検出し、強い常磁性効果と関連して議論した。 (Pu, Am)O_2酸化物とPdの粉末を水素還元雰囲気中で処理するカップリングリダクション法により作製した合金が高分解能のAm-241メスバウアー線源として有望であることを実証した。また、Fe-57、Eu-151メスバウアー分光によりNpFe_4P_<12>やEuFe_4As_<12>の磁性状態を詳しく調べた。 ウラン(III)の反応性の高い出発物質UCl3(thf)1.5を、塩化ウラニル(VI)のHCl水溶液の水銀陰極電解と真空乾燥を組み合わせて調製する方法を開発した。また、UCl3(thf)1.5のピリジン(py)付加錯体UCl3(py)3について結晶構造を決定し磁性の検討をおこなった。さらに、窒素配位子による電子供与とともにピリジン間のπースタッキングの相互作用を指摘した。
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Research Products
(130 results)