2012 Fiscal Year Annual Research Report
価数不安定性をもつアクチノイド化合物に特有の新奇量子状態の研究
Project/Area Number |
20224015
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 憲昭 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30170773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
網塚 浩 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40212576)
山村 朝雄 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (20281983)
芳賀 芳範 日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究主幹 (90354901)
四竈 樹男 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30196365)
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Project Period (FY) |
2008-06-04 – 2013-03-31
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Keywords | 物性実験 / アクチノイド / 重い電子系 / 磁性 / 超伝導 |
Research Abstract |
最終年度である今年度において、以下の成果をあげた。(1) UCoGeにおいて超伝導引力を媒介するスピンゆらぎが5f電子系に特有のものか否かを明らかにするため、非5f電子系の物質開発及びその物性研究を進めた。その結果、ZrZn2が高圧・極低温下でスピン揺らぎに起因すると思われる奇妙な様相を示すこと、及び4f電子系準結晶が価数揺らぎに起因すると思われる量子臨界状態を示すことを明らかにした。 (2) URu2Si2の隠れた秩序相の起源を探るために単結晶を用いた放射光X線回折実験を行い、結晶対称性および原子変位パラメータ、Si原子座標といった内部変数に変化がみられないことを確認し、また仮に変化がある場合に定量的にどの範囲内であるかを精密に見積もった。さらに超強磁場中での超音波音速測定を行い、重い電子状態の形成とx2-y2型の格子不安定性とが密接に関係していることを示した。(3) UT2Al20(T:遷移金属)、URhIn5などの新物質を発見した。また、NpPd5Al2、CeCoIn5など常磁性効果が大きく且つ上部臨界磁場で一次転移が生じる超伝導体の解析を行った。(4)ウラン・レドックスフロー電池開発の過程において、バナジウム電池のプロトタイプ(1.5V-2.4Ahタイプ)の作成に成功した。これは、アクチノイドのウランあるいはネプツニウムの固体塩電池が可能であることを示すだけでなく、アクチノイドの電極反応、5f電子物性の観点からも重要な成果である。(5) アクチノイドの参照系としてEuFe2As2、EuFe4As12、EuGa4、EuAl4の研究を行い、価数状態および秩序化した磁気モーメントの大きさと向きを明らかにした。 以上により、(5年に亘る)本研究の最大の目的「アクチノイド研究の拠点形成」を完遂し、アクチノイドに関する重要問題についても、解決の糸口を見出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(127 results)