2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20225003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山下 正廣 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60167707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高石 慎也 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10396418)
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Project Period (FY) |
2008-05-12 – 2013-03-31
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Keywords | 単分子量子磁石 / 単一次元鎖量子磁石 / 量子分子スピントロニクス / 近藤ピーク / 希土類錯体 / 超常磁性 / 外場応答 / πラジカル |
Research Abstract |
超常磁性である単分子量子磁石および単分子量子磁石において外場を印可することにより新しい物性や機能性の創成を目指して研究を行った。今年度は以下のような研究成果を上げることが出来た。 1)分子に表と裏があることを見出す:キラル分子は右手系と左手系の異性体があり光学活性である。それでは分子に表と裏があるのであろうか?フタロシアニン-ナフタロシアニンダブルデッカー型Tb(III)単分子量子磁石を金基盤状に超高真空下で蒸着させると、基盤に対して上側がフタロシアニンの場合とナフタロシアニンの場合が交互に並んでいる。そこで近藤温度を測定してみるとナフタロシアニンが上側の場合は50Kであるのに対して、フタロシアニンが上側の場合が30Kである。このことからナフタロシアニンがこの分子の表であり、フタロシアニンが裏であることが分かった。分子に表と裏があるという全く新しい概念をつくることに成功した。 2)ダブルデッカーフタロシアニンLn(III)単分子量子磁石の走査型トンネルスペクトルを測定することにより近藤ピークを観測することに成功した。この場合、金属電流はSTS端子から金基盤へのトンネル電流であり、磁性不純物はフタロシアニン配位子上のπラジカルである。それでは純粋有機ラジカルで近藤効果を乱すことが出来るであろうか?純粋有機ラジカル分子であるTOVを金基盤上に蒸着させてSTSを測定すると、近藤ピークが観測された。やはりこの場合も有機πラジカルが磁性不純物である。分子上をSTSでマッピングすると分子の中央付近で近藤ピークが大きく観測された。この付近のπラジカル密度が高いことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(23 results)