2012 Fiscal Year Annual Research Report
二重ラセン構造制御を基盤とする新規物性・機能の開拓
Project/Area Number |
20225006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
八島 栄次 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50191101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 拡基 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (30464150)
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Project Period (FY) |
2008-06-04 – 2013-03-31
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Keywords | 二重ラセン / 光学活性 / 超分子 / 高分子 / キラリティー / ヘリケート / 転写 |
Research Abstract |
本研究では、二重鎖からなるラセン分子・高分子を創製するための一般性の高い概念の確立とその実現、構造と物性との相関の解明、情報機能(複製、情報の保存)の発現、光学分割材料への応用等を目指し、以下に示す成果を得た。 1. カルボン酸部位を導入したターフェニル骨格を有するπ共役高分子が、カルボン酸同士の会合により2重ラセン構造を形成することを見出した。光学活性なアミン存在下では、アミンがカルボン酸部位に挟み込まれるように水素結合ネットワークが形成され、ラセンの巻き方向が一方向巻きに片寄る。すなわち、アミンのキラル情報が増幅しながら高分子の主鎖へと伝搬することを見出した。 2. 末端に様々な機能性分子構造を有するオリゴフェノール誘導体を合成し、それらをホウ素試薬と反応させることにより、スピロボレート部位で架橋された、安定な二重ラセンヘリケートが生成することを見出した。 3. 光学活性なアラニン誘導体を側鎖に有するポリメタフェニレンエチニレンが、側鎖のキラリティを反映して一方向巻きに片寄ったラセン構造を形成することを見出した。ラセン構造は側鎖のアミド基間での分子内水素結合により安定化されており、原子間力顕微鏡(AFM)による直接観察によってその詳細な構造や巻き方向が明らかになった。同様に、両親媒性芳香族化学物が形成するラセン集合体のラセンの向きをAFMによる直接観察により、初めて明らかにすることに成功した。 4. 天然由来のリボフラビン(ビタミンB2)誘導体を主鎖に有する光学活性高分子を初めて合成し、それらがラセン状にねじれた超分子会合体を形成することを見出した。得られた高分子はスルフィドの酸化反応の触媒として働き、ラセン構造の影響により対応する単量体の触媒より高い不斉選択性を発現することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(92 results)