2010 Fiscal Year Annual Research Report
等時性電子周回リングを用いた超短パルスコヒーレントテラヘルツ光源の開発研究
Project/Area Number |
20226003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
濱 広幸 東北大学, 電子光理学研究センター, 教授 (70198795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 正之 東北大学, 電子光理学研究センター, 准教授 (60374899)
柏木 茂 東北大学, 電子光理学研究センター, 准教授 (60329133)
日出 富士雄 東北大学, 電子光理学研究センター, 助教 (60292207)
宮原 房史 東北大学, 電子光理学研究センター, 教育研究支援者 (20532691)
田中 均 理化学研究所, XFEL研究開発部門, 部門長 (30393317)
高橋 俊晴 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (00273532)
鈴木 伸介 高輝度光科学研究センター, 加速器部門, 主幹研究員 (00416380)
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Keywords | テラヘルツ光 / コヒーレント放射 / 時間領域差分法 / 空間電荷効果 / 熱陰極高周波電子銃 / バンチ圧縮 / アルファ磁石 / アイソクロナスリング |
Research Abstract |
平成21年度までに高周波電子銃の空洞内の電気接触の不具合を解消できたので、ビーム生成実験を開始した。高周波特性は概ね把握できていたため、空洞内部の電場強度および第1セルと第2セルの間の高周波位相の較正を、年度前期中に精度よく行う事ができた。しかしながら、熱陰極の高周波電子銃特有の問題である逆流電子による陰極の異常加熱現象(back-bombardment effect)が予想以上に強く現れる事が観測された。この電子銃は本来back-bombardment effectが低減されるように設計したものであり、この実験的事実に非常に困惑したが、種々のビーム特性の測定を丁寧に行って、異常加熱現象対策を練ることに方針を転換した。陰極のヒーター電流の損失を測定することで電子の放出量を正確に測定することができ、数値シミュレーションなどによって陰極の異常加熱現象を理解するデータを蓄積する事ができた。 光源リングであるアイソクロナスリングのビーム光学設計を前期で概ね終了した。このリングは4セル・2超周期からなるもので、1/4周でベータトロン振動に依存する行路長偏差をキャンセルできるようにラティス関数を調整したもので、セル中には1つの逆偏向磁石を組み込み、運動量収縮因子をほぼ0に調整できるようになっている。2次の運動量収縮因子はほとんどキャンセルアウトできたが、3次の運動量収縮因子が大きく、これの8極磁石による補正が課題として残った。偏向磁石の設計は比較的スムーズに終え、半周分の電磁石を製作しリング構築に着手できて翌年度の研究活動の方向性を確立できた。
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Research Products
(14 results)