2011 Fiscal Year Annual Research Report
計算力学と折紙工学融合による新しい軽量コア構造の機能創出と製造法に関する研究
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20226006
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
萩原 一郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50282843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 文子 京都大学, 工学系研究科, 助教 (80162907)
小机 わかえ 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (30288211)
趙 希禄 埼玉工業大学, 工学部・機械工学科, 教授 (30610307)
安井 位夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (70143691)
北岡 哲子 東京工業大学, 男女共同参画推進センター, 助教 (30447536)
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Keywords | 折紙工学 / トラスコアパネル / 反転螺旋形折り紙構造 / 等角写像 / 包装型折り紙 / 円筒構造物の展開 / 円錐殻構造物の展開 / 円形膜構造物の展開 |
Research Abstract |
トラスコアパネルは遮音材では対応が困難な低中周波数域での遮音特性が2重壁より基本的に優れていることを実験と解析で確認した。これはパネル剛性が高いためパネル面の曲げ振動で発生するコーインシデンス効果による劣化が低中周波数域で生じないこと、パネル形状によって2重壁の距離が場所によって異なる為に2重壁で課題になる共鳴透過現象が発生しないためと考察した。反転らせん構造の自動車産業への応用をめざした衝撃吸収部材の設計最適化を行った。衝突の際、吸収部材は圧潰し高エネルギーを吸収し、かつピーク荷重を極力小さくすることによりドライバーに伝わる衝撃力を低減するという相反する2つの特性を満たす必要がある。従来の殻構造では高エネルギー吸収という観点では十分な性能を発揮したが、衝撃荷重は極めて高く安全上必要とされる目標値には遠く及ばなかった。そこで反転らせん構造に着目した。反転らせん構造はらせんを構成する角度を調節し折り畳みの性質を制御することによって衝撃荷重を低く抑えることが可能である。設計最適化を行い、両条件を共に満たす、反転らせんと角柱を組み合わせた構造物を提案することができた。某大手自動車メーカーで試作および製品開発が進んでいる。折り線の成す角によって構造特性が変化する折り紙モデルをデザインするには都合が良く。円筒構造物の展開図から曲座標変換を行うことにより円錐殻構造物および円形膜の展開図が得られるなど既存のシンプルな折り紙モデルを等角変換し、未知なる折り紙デザインの創成の可能性を示唆した。菓子袋などは平面のフィルムを包装型で円筒形状に変形して作成される。ただし包装型で変形する時にフィルムの応力が高まり、傷が発生し易い。この包装型の形状は、全て経験的に作成されてきたのを本研究では平面形状から円筒形状に可逆的に折曲げる折紙の理論に基づく形状にすることが有効である事を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
折り紙で産業応用されたのはこれまでハニカムコアのみであり、展張式とコルゲート式の二つの製造方式が確立されている。これに対し、本研究で開発したトラスコアは性能上、ハニカムコアに総合的に優ることを解析と実験で示し、多段階製造解析法を開発しこれに基づいて、汎用順送成形金型開発に貢献し日本発の大きな産業になりつつある。更に、展開収縮型コアでは、ハイドロフォーミングに関する特許を作成し、自動車のエネルギー吸収材に適用の検討が進められるに至っている。CADから容易に折り紙を作るシステムが完成しつつありこれは極めて大きな産業となりえる。これまでの直線折りに対し、効率よく曲線折りを求める方法として、等角写像を用いたファッショナブルな折り紙生成を得た。剛体折りを応用して包装機の開発を得、具体的に産業応用されつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
百聞は一見に如かず、百見は一作に如かず。CADデータから、迅速に折り紙が創製できれば、デザイナーの想像力を掻き立てることは間違いない。これが直線折りでできつつある。更に現在進めている等角写像を用いた曲線折り紙と結びつければ更に折り紙構造物のリアリティーさが増す。折り紙の展開収縮性を利用した金型は、モジュール構造開発に寄与する。モジュール構造間に機構を設けることによりスマート構造が得られる。これをコンピューター上で行う。トラスコアの更なる産業応用を目指し、トラスコアではダブルトラスコアの接合法の確立、遮熱特性、遮音特性の最適化を図るなどその益々の汎用化を目指す。
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Research Products
(31 results)