Research Abstract |
(1)過去の橋梁関係の振動モニタリングデータを用いた分析 横浜ベイブリッジ,白鳥大橋などの大型橋梁,一般免震橋における地震応答や対風応答データを入手し,動特性の変化を逆解析手法により分析し,設計では考慮されていないモードの検出や,微小な自励空気力の検出に成功した.また,一般免震橋においては,免震支承の動特性の定量的把握を行えることを示した. (2)走行車両との連成を考慮した橋梁の動的応答予測法とその検証 橋梁の細部(ディテール)にいたるまでの動的応答予測シミュレーション法の確立とモニタリングデータを活用したモデル更新技術は,極限性能評価には欠かせないものである.本年度は,汎用ソフトABAQUSとMATLABを組み合わせ,走行車両(自動車)と橋梁との動的連成を考慮した応答予測法を完成させた.これにより,橋梁構造モデルの選択自由度が飛躍的に向上し解析法としての汎用性が格段に増したことになる.鉄道高架橋,鉄道鋼橋,道路橋における計測モニタリングデータと予測応答との整合性を検討し,いずれも十分高いレベルにあることを確認した. (3)首都高速高架橋の動的応答計測 完成後40年を経過した同じ設計の向一路線鋼桁12スパンを選び,ひずみ,加速度を,100点近く2日間にわたり計測した.事前に路面凹凸も合わせて計測し,また,25トン大型車による応答も測定し,基礎データセットを整えることができた.このデータの再現、ならびに桁ごとの応答の個体差について,今後検討していく予定である. (4)ワイヤレスセンサー 高密度振動モニタリングには欠かせないワイヤレスセンサーとしてImote2を選び,その時刻同期,送信欠損の補償法を検討し,精度,信頼度の高い方法を考案した.また,この方法を首都高速での計測において同期計測法として,その有用性を確認した.
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