2008 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の集合・リモデリングの分子機構とその制御
Project/Area Number |
20227004
|
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
荒木 弘之 National Institute of Genetics, 細胞遺伝研究系, 教授 (20151160)
|
Keywords | リモデリング / DNA複製 / DNAヘリカーゼ / 酵母 / 染色体 |
Research Abstract |
染色体DNAの複製開始領域には複数のタンパク質が集合し、複製を開始する。しかしこの集合がどのように起こり、どのように制御され、複製を開始させるのかは明らかではない。主として精製タンパク質を用いて、この問題を明らかにしようとしている。本年度は以下の点について研究を行った。1)複製タンパク質のうちその機能が最も分かっていないMcm10タンパク質を精製してDNAポリメラーゼとの結合を調べたところ、DNAポリメラーゼαと弱く結合することが分かった。また、mcm10変異細胞を同調させた実験から、実際にこの変異が複製に欠損を持つことを確認した。2)精製したSla3複製タンパク質がCDKにリン酸化されるとDpb11に結合するin vitroの系を確立した。この結合は、細胞内では複製開始に必須である。3)精製したCdc45, MCM, GINSのみでは複合体を作らないが、Sld3/Sld7を加えると複合体を作る。Cdc45-MCM-GINS複合体が細胞内ではDNAヘリカーゼとして働くと考えられているが、ヘリカーゼ活性は検出できなかった。これらタンパク質を昆虫細胞で同時に発現する系も作って調べたが、結果は同様であった。5)in vitroの複製系構築のため、種々の複製因子を大量発現した細胞の粗抽出液を調製して調べたが、現時点では複製反応は起こっていない。粗抽出液内の複製タンパク質量の検定も行ったが、抗体の検出感度以下のタンパク質も多く、今後検討が必要である。
|