2009 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ技能の獲得・向上への力学系理論からの統合的理解
Project/Area Number |
20240060
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 裕二 Nagoya University, 総合保健体育科学センター, 教授 (30191456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 和俊 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (30302813)
木島 章文 福山平成大学, 福祉健康学部, 准教授 (10389083)
平田 智秋 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 講師 (80438895)
奥村 基生 東海学園大学, 人間健康学部, 助手 (90400663)
山田 憲政 北海道大学, 教育学研究科, 准教授 (00210469)
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Keywords | スポーツ技能 / 力学系 / 周期動作ダイナミクス / 対人ダイナミクス / 集団ダイナミクス |
Research Abstract |
今年度は9月と2月に全体研究会を,5月,11月に個別研究会を開催し,昨年度導入した光学式動作解析装置による共通実験系並びに固有実験系での測定・解析について検討を行った.そこでは広範囲な測定空間での高格式動作解析装置の利用可能性とともに屋外での利用可能性についても検討を加え,屋内であれば10メートル四方の空間は,大型マーカーを利用したキャリブレーションを行うことによって測定可能であることが判明した.また屋外については木立などの緑色に対するマーカーの抽出が困難であることが判明し,屋外でも測定可能ではあるが背景等に留意する必要があることが明らかになった. また,周期動作のダイナミクスとしてブランコ漕ぎ動作に着目し,幼児及び大人のデータを取得し,解析を行い,現在論文化の途中である.そこでは,単純な力学系理論によって人間のブランコ漕ぎ運動が記述できることがシミュレーションと比較しながら明らかになっている.また,対人ダイナミクスとして剣道とフラッグ鬼ごっこの1対1の攻防動作の解析を進め,攻防の振る舞いを記述できる集合変数を同定しているところである. さらには,取得したサッカーおよびホッケーのデータに基づき力学系理論からの解析を進め,攻撃の成功と失敗を表す秩序パラメータとして選手全体の位置とボールとの関係を定量化したものが有効な指標であり,さらにこの成功と失敗を決定する制御パラメータがチーム間距離であることが明らかになった.また,パスのネットワーク解析からパスの出し手と受け手のパスの回数と頻度との関係にはベキ則が成り立ち,このことがいわゆるゲームの流れといわれるようなゲームの自己組織化の背景にある機構であろうことが明らかになった. これらのことはスポーツ技能の背景に潜む機構に関して,共通する力学系理論で説明可能であることを強く示唆する.
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Research Products
(4 results)