2012 Fiscal Year Annual Research Report
海鳥を食物網と汚染のトレーサーとした海洋生態系モニタリング
Project/Area Number |
20241001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
綿貫 豊 北海道大学, 水産科学研究科(研究院), 准教授 (40192819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 奈理子 公益財団法人山階鳥類研究所, -, 研究員 (30203962)
高橋 晃周 国立極地研究所, -, 准教授 (40413918)
佐藤 克文 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (50300695)
高田 秀重 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70187970)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 海洋生態系 / 汚染 / バイオロギング / 海洋環境 |
Research Abstract |
最終年度として、ハシボソミズナギドリとオオミズナギドリの軌跡と羽毛の水銀・安定同位体比の分析を行い、太平洋の西部中緯度地帯から熱帯域、両極域における水銀汚染と栄養段階についてのとりまとめを行った。①繁殖地で生える胸の羽はそれまでの水銀蓄積を反映するので、その時採食した海域の汚染度の指標としては必ずしも適切ではないが、越冬地到着後は、蓄積水銀の多くは,既に換羽によって排出されているため、越冬地で生える際外側の尾羽や風切り羽はその海域の汚染を反映すること、②南シナ海や北部日本の太平洋~オホーツク海沿岸の水銀汚染は、ニューギニア北部海域やオーストラリア北西海域、東ベーリング海域よりも高いこと、③栄養段階の指標である窒素安定同位対比と水銀濃度の関係は弱いこと、が明らかとなった。オオミズナギドリとハシボソミズナギドリの飛行羽(前者では際外側尾羽、後者では際外側風切り羽を使った)が生える、1月および6月の個体ごとの平均位置をつかって、それぞれの個体の羽の水銀濃度をプロットすることで、中規模スケールの汚染地図がかけることがわかった。ただし、種や羽のタイプの違いをどう標準化するかの問題は残された。これらの成果を日本生態学会、太平洋海鳥会議、Gordon Research Conference (Invited)で発表した。また、北太平洋海洋研究者会議(PICES)において、汚染物質のモニターとして高次捕食者を使うことの意義についてのシンポジウムを開催し、5年間のとりまとめを行った。これらの成果として、海洋生態系高次捕食者は海洋汚染の年変化や海域間変化のよい指標となること、さらに組織の形成時期や回転率がわかれば、彼らの移動をトラッキングすることで、比較的狭い範囲の汚染や生態系の変化のシグナルをとらえることが可能であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(26 results)
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[Journal Article] Basal and field metabolic rates of Streaked Shearwater during the chick-rearing period2012
Author(s)
Shirai, M., Yamamoto, M., Ebine, N., Yamamoto, T., S., Trathan, PN., Yoda K., Oka, N. and Y. Niizuma
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Journal Title
Ornithological Science
Volume: 11
Pages: 47-55
Peer Reviewed
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[Presentation] Movement of short-tailed shearwaters with environmental gradient in the sub-Arctic Pacific and Arctic seas through summer to autumn2013
Author(s)
Yamamoto, T., Hoshina, K., Nishizawa, B., Meathrel, C. E., Phillips, R. A. and Watanuki, Y.
Organizer
ESSAS Annual Science Meeting
Place of Presentation
函館市地域交流まちづくりセンター(函館市)
Year and Date
20130107-20130109
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[Presentation] POPs in the preen gland oil of Streaked Shearwaters breeding on the islands in Japan reflect marine pollution in western North Pacific.2012
Author(s)
Ito A, Yamashita R, Takada H, Yamamoto T, Shiomi K, Zavalaga C, Abe T, Watanabe S, Yamamoto M, Sato K, Kohno H, Yoda K, Iida T, Watanuki Y
Organizer
PICES Annual Meeting
Place of Presentation
広島国際会議場(広島市)
Year and Date
20121012-20121021
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