2010 Fiscal Year Annual Research Report
海洋有機物の統合的理解-有機物プールの消長と地球表層炭素循環へのインパクト-
Project/Area Number |
20241005
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田上 英一郎 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (50133129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 成光 宮崎国際大学, 比較文化学部, 教授 (50261243)
西田 民人 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教 (60313988)
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Keywords | 海洋有機物プール / 物質循環 / 有機地球化学 / 溶存有機物 / 縣濁態有機物 |
Research Abstract |
本研究では、海洋有機物プール消長がもたらす地球表層炭素循環へのインパクトを明らかにするために海洋有機物動態の総合的理解を目指す。本研究の目的を達成するための2つのアプローチで研究を推進している。一つは、ハイスループット分析法を用いて溶存有機物の分布を求め、その特徴から溶存有機物動態を明らかにするアプローチである。二つめのアプローチとして分子レベルで有機物プールの有り体を詳細に把握するアプローチである。 本年度は、二つめのアプローチとして懸濁態有機物中に含まれる結合型アミノ酸の化学型および溶存有機物中の複合糖質の化学型を明らかにする試みを行った。海洋全深度において、結合型アミノ酸は、尿素可溶、SDS可溶、SDS/尿素不溶、の3画分に分ける事ができた。結合型アミノ酸は、従来タンパク質と考えられていたが、SDS/尿素不溶画分に結合型アミノ酸が検出された。このことから、懸濁態有機物中の結合型アミノ酸には、タンパク質とは全く異なる化学型が存在することがわかった。溶存有機物中の複合糖質については、蛍光誘導体化法と電気泳動法を組み合わせた分析法を開発した。溶存有機物中に2糖から23糖までの複合糖質が存在していることが分かった。
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Research Products
(6 results)