2012 Fiscal Year Annual Research Report
海洋有機物の統合的理解-有機物プールの消長と地球表層炭素循環へのインパクト-
Project/Area Number |
20241005
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田上 英一郎 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 教授 (50133129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 成光 宮崎国際大学, 比較文化学部, 教授 (50261243)
西田 民人 名古屋大学, 環境学研究科, 助教 (60313988)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 海洋有機物プール / 物質循環 / 有機地球化学 / 溶存有機物 / 懸濁態有機物 |
Research Abstract |
本研究では、海洋有機物プール消長がもたらす地球表層炭素循環へのインパクトを明らかにするために海洋有機物動態の総合的理解を目指す。本研究の目的を達成するための2つのアプローチで研究を推進している。 一つは、ハイスループット分析法を用いて溶存有機物の分布を求め、その特徴から溶存有機物動態を明らかにするアプローチである。二つめのアプローチとして分子レベルで有機物プールの有り体を詳細に把握するアプローチである。本研究課題では、1)ハイスループット分析法によって、観測海域から大量の基礎データを採取し、2)溶存有機物の高分子レベル分析において、丁寧に海洋有機物の高次構造を明らかにすることで、海洋有機物の化学像を洗い出し、3)微生物ループ駆動実験によって、得られた知見をモデル化することが主題である。 本年度は、ハイスループット分析により、同定可能性分の海盆スケールの分布を完成させ、同定不能成分のパラメータであるCDOMの分布と比較した。核磁気共鳴法を用いた溶存有機物の高分子レベル分析の実施ならびに海洋有機物に対して新たな高分子糖鎖検出方法を適用した。本研究の方法による同定可能成分の組成の特徴とCDOMスペクトルの特徴との定性的比較及び両者を有機炭素量として標準化した定量的比較が可能となる可能性がある。 また、有機物―有機物相互作用の研究については、海洋の高分子溶存有機物に含まれる脂質について、詳細な情報を得た。高分子画分に含まれる脂質の脂肪酸ならび分子種組成は、低分子量画分に含まれるものと一致し、海水中で脂質分子は、低分子と高分子凝集体の間で分子の脱着が行われていることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)