2009 Fiscal Year Annual Research Report
OR指向ファイナンスにおける意思決定支援モデルの開発
Project/Area Number |
20241037
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 俊一 Hokkaido University, 大学院・経済学研究科, 教授 (50143649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤木 勝茂 南山大学, 大学院・ビジネス研究科, 教授 (80065482)
井上 昭彦 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50168431)
鈴木 輝好 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (90360891)
辻村 元男 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (40335328)
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Keywords | OR / 数理ファイナンス / 金融工学 / 確率モデル / 意思決定 / オプション評価 / ポートフォリオ最適 / リアルオプション |
Research Abstract |
意思決定支援の観点から数理ファイナンス理論を再構築するOR指向ファイナンスに向けて、平成21年度は26件の雑誌論文(うち査読付き論文13件)および56件の学会・国際会議発表を行った。これらの研究成果は次の4つに大別することができる。(1)オプションの価格評価とその応用:サブプライム・ローンに端を発した金融危機を金融工学の立場から分析するために、CDSの公正な評価と破綻確率の推定について検討した。また、インストールメントオプション、ゲームオプション等のエキゾチックオプションに対する価格評価とストックオプション公正価値評価の問題に対する分析を行った。(2)リアルオプションの応用:発電プラント建設・廃棄等の投資問題、資金調達を考慮した投資問題、施設の配置と投資の同時決定問題、M&A、不完全情報下での外国直接投資問題等を分析した。(3)社債のリスク評価において、企業の信用力を観測できない隠れた確率変数として、有形資産の価値を定期的に観測できる確率変数としてモデル化し、信用力の代理変数である有形資産価値から真の信用力を推定した。(4)デフォルトのある条件付き請求権に関する優複製確率の最大化問題およびヘッジ損失の割引期待値最小化の問題を非完備市場の枠組みにおいて定式化し,最適ポートフォリオを導出した。 これらの研究成果は、INFORMS、日本オペレーションズ・リサーチ学会、日本ファイナンス学会、日本リアルオプション学会を含む数多くの国内外の学会・国際会議において発表され、研究目的及び実施計画に沿った十分な成果が得られたと考えられる。さらに、本研究の研究成果公表と関連する研究者との研究交流を目的として、2009年11月25日~27日の3日間、京都大学数理解析研究所においてRIMS研究集会「ファイナンスの数理解析とその応用」を開催し、40名余りの参加者を得て22件の研究発表を行った。
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Research Products
(85 results)