Research Abstract |
本研究の目的は大きく2つあり、第1はガンダーラ美術の資料集成,第2はその統合的研究である。第1の目的のために,調書の計画の通り本年度は美術史班(研究代表者・分担者・協力者)がアメリカ・カナダ所蔵のガンダーラ彫刻の調査と資料収集を行った。 即ち,the Metropolitan Museum of Art (New York,99点),Brooklyn Museum (New York,58点),Museum of Fine Arts, Boston (Boston,1点),Arthur M.SaCltler Museum/Harvard Art Museums (Harvard,33点),Freer Gallery of Art/Arthur M.Sackler Gallery (Washington, D.C.,12点),Royal Ontario Museum (Toronto,41点)の6博物館で計244点のガンダーラ彫刻の調査,写真撮影を行った。いずれも博物館も協力的で、以上のうち6館では展示品はもとより収蔵庫のガンダーラ彫刻を詳しく調査することができた。 この他、Ringling Museum of Art, Sarasota, Florida, the Cleveland Museum of Artでは、あいにく担当者の不在および改修中にあたり,実見調査が不可能となったものの,訪問によって状態のよい写真や収蔵品リストの提供をうけることが出来た(但し,上述8館全て写真の公開に関しては制限がつけられている)。 現在,これらの写真資料と作品データの入力作業を進めている。 本研究の第2の目的である統合的研究に関しては,全体の研究会を3回,講演会を1回開催し,研究代表者,研究分担者名4名,ゲストスピーカー3名,及び協力者2名がそれぞれ美術史・考古学・碑文学・仏教学・仏教史の分野から,各自の研究分野に沿った研究発表を行った。研究代表者,研究分担者それぞれの研究成果については「研究発表」の項を参照されたい。更にガンダーラに焦点を当てつつ,美術史を軸としながら,関連する諸分野の研究を有機的に統合して,研究を深めることが重要で,来年度は本研究の4年目に当たるので,集大成に向けて,その準備を整えた。
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