2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20242004
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Research Institution | Nara National Museum |
Principal Investigator |
湯山 賢一 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, 館長 (00300690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 厚 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, 学芸部長 (10167570)
鈴木 喜博 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, 学芸部上席研究員 (30416408)
岩田 茂樹 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, 学芸部美術室長 (20321622)
内藤 栄 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, 学芸部工芸考古室長 (40290928)
稲本 泰生 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, 学芸部企画室長 (70252509)
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Keywords | 仏教美術 / 奈良時代 / 東アジア |
Research Abstract |
奈良朝仏教美術の重要作品に関する基礎資料を学界の共有財産として提供するという本研究の第一の目的に沿い、研究費交付後、詳細な検討を加え、成果を報告する対象文化財を、最終的に五部門(彫刻・絵画・書跡・工芸・考古)に各々対応する五件(五群)、すなわち(1)東大寺法華堂乾漆像彩色文様(彫刻)、(2)藤井斉成会有鄰館所蔵『南詔図伝』(絵画)、(3)藤田美術館所蔵『大般若経』(魚養経、書跡)、(4)香取神宮所蔵『海獣葡萄鏡』(工芸品)、(5)東大寺金堂鎮壇具(考古資料)に絞り込むという方針を確定させた。それぞれの調査研究の経過は以下の通り。(1)前年度以来の文様写真の画像処理等の作業を継続して行い、23年2月までに調査研究を完了させた。途中、成果の一部を当館開催の特別展「仏像修理100年」(7月21日~9月26日)のパネル展示及び展覧会図録に反映させ、12月20日から23日にかけては研究分担者2名を秋田市立赤れんが郷土館に派遣して、同館所蔵の小場恒吉資料を調査した。(2)11月5日から14日まで当該作品を当館に借用し、全巻の写真撮影と光学的調査を含む調査などを実施した。(3)11月11日に当該作品全387巻を当館に輸送し、23年2月18日までの間に計19日間の調査日を設け、研究分担者の大半が参加して全巻の調査・撮影を完了させた。(4)春の特別展「大遣唐使展」(4月3日~6月20日)に当該作品を借用した際に蛍光X線分析などの調査を行い、このデータを活用して正倉院宝物中の同型鏡との関係などの問題を検討した。(5)前年度以来の光学調査・実測等の作業を継続して行い、23年2月までに調査研究を完了させた。かくして23年1月から研究成果報告書の編集作業に着手し、3年間の成果をとりまとめて、年度末に5部構成・2分冊からなる研究成果報告書を完成させ、刊行した。なお12月刊行の奈良国立博物館編『奈良時代の塑造神将像』(中央公論美術出版)は、法華堂乾漆諸像文様の重要な比較対象でもある戒壇堂四天王像と法華堂執金剛神像の調査報告書で、一部に本研究による成果が反映されている。
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Research Products
(14 results)