2008 Fiscal Year Annual Research Report
歴史における周縁と共生-疫病・触穢思想・女人結界・除災儀礼
Project/Area Number |
20242018
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
鈴木 則子 Nara Women's University, 生活環境学部, 准教授 (20335475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 優 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (20142292)
武藤 康弘 奈良女子大学, 文学部, 准教授 (80200244)
三枝 暁子 立命館大学, 文学部, 准教授 (70411139)
梅澤 ふみ子 惠泉女学園大学, 人文学部, 教授 (60126000)
平 雅行 大阪大学, 文学研究科, 教授 (10171399)
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Keywords | 日本史一般 / 医学史 |
Research Abstract |
本年度は3回の研究会と4回の現地調査を実施するとともに、伝統習俗に関するアンケート調査を実施した。また科研活動を班員全員で共有するため、ニューズレターを発行した。 ・第1回研究会・調査(2008,6/7-8);脇田晴子氏「古代中世の触稼と女人禁制」、武藤康弘氏「奈良の伝統的祭礼と女性」の研究報告を行う。調査は奈良県大峰山の女人結界門を中心に、山岳修験と女人禁制の関係について考察を深めた。 ・第2回研究会・現地調査(2008,10/25-27);東京で鈴木正崇氏「熊野信仰と湯立て神楽」、野村伸一氏「広大論-東アジアの儺者たち」、梅澤ふみ子氏「江戸時代における富士山の女人禁制と富士講」の研究報告を行う。調査は富士講関係の史跡について、山梨県富士吉田市内を中心に行う。山岳信仰と女人禁制との関係の考察を深めた。 ・第3回研究会・現地調査(2008,12/20-23);研究会報告は栗山茂久氏「西洋医学再考-汚れ意識のゆくえ」、調査は沖縄の葬送儀礼・巫女を中心に行った。死穢や女性の穢れに対する意識の、西洋と日本、また同じ日本でも沖縄と本土との相違について考察を深めた。 ・第4回現地調査(2009,2/10-12);鹿児島県南さつま市の疱瘡踊を中心に調査した。女性が除災儀礼の主役として活躍する背景について今後考察するための好例となった。 ・アンケート調査は、現在の祭礼や生老病死にかかわる儀礼の中に、穢意識や女性排除がどのような形で残存しているのかを調査した。有効回答数73通。すでに実体験としてこれらの儀礼を経験している人は少ない。しかし今後の調査地選定の参考としていく。
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Research Products
(8 results)