2011 Fiscal Year Annual Research Report
税と社会保障の一体的改革-格差問題と国際化への対応
Project/Area Number |
20243022
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
田近 栄治 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10179723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 智之 一橋大学, 国際・公共政策大学院, 教授 (80313443)
佐藤 主光 一橋大学, 国際・公共政策大学院, 教授 (50313458)
山重 慎二 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (20282931)
國枝 繁樹 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (40304000)
竹内 幹 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (50509148)
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Keywords | 税制 / 社会保障 / 格差問題 / 国際化 / 少子高齢化 |
Research Abstract |
税と社会保障の一体改革をめぐる、2011年度の活動は以下の通りある。第1に、2010年度に続いて『一橋経済学』の「税と社会保障の一体改革」(特集号)を完結した。具体的には、特集号(下)としてグローバル化における税制のあり方(佐藤主光)、最適所得税の理論と最低賃金(國枝繁樹)、少子化と税・社会保障制度の一体改革(山重慎二)の3論文を新たに収録した。以上の成果に基づき、古川元久国家戦略相などを招待し、「どうする日本の社会保障と税~一体改革への提言~」(2011年11月25日)と題してシンポジウムを行った。 第2に医療介護分野では、財務省・財務総合研究所と共催して国際シンポジウム「医療制度改革における公私保険の役割分担(The Roles and Functions of Pridvate and Public Health Insurances)」を開催した(2012年2月27日)。田近栄治・菊池潤の公的・民間保険の役割についての包括論文、および河口洋行の混合診療に関する論文の報告が行われ、それに基づき、海外参加者からオランダ、イギリスおよびカナダのケースが報告された。当日の報告に加えてドイツとフランスに関する論文(日本語)を収録し、成果は財務省・財務総合研究所発行『フィナンシャル・レビュー』とPublic Policy Reviewに特集号として掲載される予定である。 第3に少子化問題の観点からの税と社会保障の一体改革の在り方に関しては、2つの成果を取りまとめた。山重慎二による『家族と社会の経済分析-日本社会の変容と政策的対応』は、少子化が日本の家族や共同体の変容と密接に結びついていることに注目し、経済学的分析に基づいて、望ましい社会保障制度・社会政策の在り方について研究した成果であり、2012年秋東京大学出版会から出版予定である。『人口動態と政策~2050年の日本~』は、山重慎二、加藤久和および小黒一正が編著者となり、研究会での成果をとりまとめたものである。人口動態の変化が日本経済に与える長期的影響に関する考察を踏まえて、望ましい政策の在り方について議論した。人口動態と政策に関する既存の研究のサーベイとシミュレーション分析に基づく議論は、人口動態の変化が様々な形で将来の日本に大きな影響を与える可能性を明らかにする。今後、商業出版を目指している。
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