2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20243025
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
加護野 忠男 Kobe University, 経営学研究科, 教授 (80030724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 淳蔵 流通科学大学, 商学部, 教授 (50093498)
猶本 良夫 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (00237190)
川上 智子 関西大学, 商学部, 准教授 (10330169)
松嶋 登 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (10347263)
坂田 隆文 中京大学, 総合政策学部, 准教授 (40367652)
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Keywords | 医療経営 / マネジメント / ガバナンス / NPM |
Research Abstract |
本研究は、病院経営のマネジメントに関する総合的な研究を行うことを目的とする。研究初年度なる本年においては、問題意識の再認識を行うとともに精力的に端的事例分析を進め、病院経営におけるトヨタ生産方式の意義、ガバナンス体制の構築に関するマネジメント、さらには電子カルテをはじめとするIT導入に際して引き起こされる病院組織体制の再編成問題などの考察を進めることができた。トヨタ生産方式においては、すでに海外において提示されてきた知見のみならず、我が国においても、トヨタ記念病院を始め多くの一般病院においてその実践がなされてきたことが明らかにされた。ガバナンス体制の構築については、愛仁会の実践を中心に考察が進められ、その可能性が明らかにされた。IT導入に関しては、都立病院や徳島大学病院の成果を手がかりにしつつ、その導入に際しての組織マネジメントの必要性などが明らかにされた。また、先駆的な海外事例についても目を向け、とりわけシアトルのバージニアメイソン病院における医師を含めた専門職の包括的なマネジメント体制の構築手法を考察した。 これらの研究は定期的に行われた医療経営研究会において医療従事者を含めて活発に議論され、その可能性が模索された。理論的な可能性についても考察が進められ、制度論的知見を基礎とした病院経営研究の方向性が提示されるとともに、その研究実践が進められるに至った。今後の医療経営研究において、こうした探索的事例分析の知見、および方法論の整備は重要な意義を有しているといえる。
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Research Products
(25 results)