2008 Fiscal Year Annual Research Report
全天X線監視装置MAXIによる巨大ブラックホールのX線変動質量推定法の検証と応用
Project/Area Number |
20244015
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
三原 建弘 The Institute of Physical and Chemical Research, 牧島宇宙放射線研究室, 先任研究員 (20260200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉崎 睦 独立行政法人理化学研究所, 牧島宇宙放射線研究室, 協力研究員 (00469933)
磯部 直樹 独立行政法人理化学研究所, 牧島宇宙放射線研究室, 基礎科学特別研究員 (80360725)
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Keywords | 宇宙科学 / 宇宙物理 / X線天文学 / 人工衛星 / 全天監視 |
Research Abstract |
本研究においては、まず第一に「MAXIを無事に軌道上に打ち上げ、正常動作させること」が重要となる。また同時に、打ち上げ後すぐにデータ解析が行えるように「解析ソフトウエアの整備」も重要である。本年度は、これら2つのことを行った。 「MAXIの環境試験の遂行」では、4月のEMC(電磁干渉)試験、7月の最終電気試験、9月の輸送前試験、そして11月のアメリカKennedy宇宙センターにおける搭載前試験など、一連のMAXIフライトモデルの試験を行った。これらの試験によりMAXIのX線検出器がいかなる環境下でも正しく動作することが確認され、MAXIの打ち上げ(2009年5月)に向けての準備が整った。 「解析ソフトウエアの整備」では、検索の速い「光子データベース」を利用したデータ蓄積システムを構築し、理研に計算機クラスタを構築してソフトウエアを実装した。X線検出器の応答は、X線のエネルギーや入射位置により微妙に異なる。次にMAXIの検出器の応答関数を、理研での較正実験やKEKでのKエスケープ率測定のデータに基づいて作成した。データ解析においては、まず擬似データを発生させる観測シミュレーターを開発した。それには、全天1000個の天体からのX線だけでなく、粒子バックグラウンドやSAA放射線異常帯、太陽からの保護、プリセッションしていく軌道情報などが取り入れらており、現実的なシミュレーションを行うことができる。その擬似データを用いて、MAXIの感度の評価などを行い、当初の感度目標が達成できることを確認した。同擬似データは「光子データベース」にも入力し、データが滞りなく処理されることを確認した。
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Research Products
(8 results)