2008 Fiscal Year Annual Research Report
群速度エンジニアリングによる、時空間単一モード光子源の実現と応用
Project/Area Number |
20244062
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
竹内 繁樹 Hokkaido University, 電子科学研究所, 教授 (80321959)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗村 直 北海道大学, 独立行政法人物質材料研究機構・光材料センター, 主任研究員 (10287964)
|
Keywords | 単一光子 / 量子光学 / 量子情報 / 非線形光学 / 疑似位相整合 |
Research Abstract |
光子を用いた量子情報処理用の光子源としてもっとも広く用いられているのが、パラメトリック下方変換(PDC)である。今後より光子数を増大させた実験では、独立した別個のPDC光源から発生した光子間の量子干渉が重要となる。しかし、現在のPDC光源では、ポンプ光と下方変換光子間の群速度不整合(GVM)が、光子の発生時刻にジッターを与え、良質な量子干渉の障害となっていた。本研究では、この問題を「群速度エンジニアリング」技術により解消した光子源の創製とその応用をめざし研究を進めている。今年度は、1)群速度エンジニアリングによる、非線形光学素子の開発、2)高繰り返し時空間単一モード光子源の実現、3)多光子もつれ合い状態の生成の3つの項目に関して研究を進めた。 項目1に関しては、デバイスの設計および初期試作を実施した。群速度分散の小さい定比組成タンタル酸リチウムにおいて400nmから800nmのPDC用に、3倍周期の分極反転構造として周期8.5μmの波長変換デバイスを作製した。また、QPMデバイスの奥行きを、GVM低減に最適な300μmの薄板に精密研磨に成功した。またこの薄板デバイスを保持するために特殊治具を設計し、モジュールとしてくみ上げた。 項目2に関しては、群速度不整合の2光子干渉性に与える影響を定量的に説明する理論を構築、BBO結晶を用いた実験結果を定量的に説明することに成功した(論文準備中。)また、高繰り返しの実現に関し、再度の徹底した機種検討の後、計画していた高繰り返しフェムト秒レーザー(Gigajet 20C)を購入し立ち上げた。 項目3に関しては、Gouy位相を用いた角運動量もつれ合いの制御(PRL)、角運動量多次元もつれ合いの実験結果に与える影響の解明(JOSA-B)光量子回路を用いた2光子量子もつれ合いフィルターの実現(Science)などの成果を得た。
|
Research Products
(13 results)