2009 Fiscal Year Annual Research Report
群速度エンジニアリングによる、時空間単一モード光子源の実現と応用
Project/Area Number |
20244062
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
竹内 繁樹 Hokkaido University, 電子科学研究所, 教授 (80321959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗村 直 独立行政法人物質材料研究機構, 光材料センター, 主任研究員 (10287964)
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Keywords | 単一光子 / 量子光学 / 量子情報 / 非線形光学 / 疑似位相整合 |
Research Abstract |
光子は、量子情報の担体として、伝送特性に優れ、かつ外部からの擾乱に強いなど良質な特性を持つ。特に、2001年に、Knill, Laflamme, Milburnらによって、単一光子源と線形光学素子、および検出器を用いた量子計算スキームが示され、スケーラブルな量子コンピュータ実現の有力な候補ともなっている。しかし、現在広く用いられているパラメトリック下方変換を利用した光源では、ポンプ光と下方変換光子間の群速度不整合が、良質な量子干渉の障害となっていた。本研究では、この群速度不整合を解消した光源を「群速度エンジニアリング」技術により創成するにとを目指している。 平成21年は、20年度に設計試作したデバイスの特性評価を行い、SHG実験では計画に近い効率での変換を確認した。それと平行して、群速度不整合を解消し、かつ所望の変換効率を得ることの可能なデバイス設計を検討した。その結論として、エアギャップにより不整合を解消する1回反射型デバイスが有力であることが分かった。 一方、バルクのBBO結晶を利用する方法について、2光子干渉性の向上について研究を行った。その結果、93%と、縮退した2光子発生源としては世界最高の2光子干渉性を得ることに成功した。(論文準備中) 項目3に関しては、線形光学量子ゲートのエラー原因について検討を進めた。その結果、エラー量が、設計からの誤差に対して1次で効く場合と2次で効く場合が存在することが明らかになった。同様に、線形光学制御ノットゲートの場合、エラー量は2光子干渉性に関して1次で効くことが明らかになった。これは、本研究の目指す時空間単一モード光子源が必須であることを示す成果である。(New J.Phys.掲載予定)
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Research Products
(11 results)