2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20244067
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土井 正男 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70087104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 裕史 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 主任研究員 (10466790)
住野 豊 愛知教育大学, 教育学部, 助教 (00518384)
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Keywords | 高分子界面 / 粘着・剥離 / スティック・スリップ運動 / 接触線運動 / 地震現象 |
Research Abstract |
(1)すべり摩擦における粘着・剥離ダイナミクスに関する研究 本研究では,シリコーンゲルとアクリル樹脂とを互いにゆっくりとすべらせることにより,間欠的・局所的なスティック-スリップ運動が起こることを見出した.また,レオロジー特性の異なるゲル試料を作成し摩擦実験を行なったところ,巨大地震,ゆっくり地震,グーテンベルグ-リヒター則など,さまざさま地震現象によく似た振る舞いが生じることが分かった. (2)ポリマー一固体間界面を含む粗視化シミュレーション 本研究では,ポリマーと固体との間の界面近傍の分子鎖構造とダイナミクスを,粗視化分子動力学シミュレーションを用いて検討した.その結果,粘着・剥離過程において界面の引力効果を変えることでG',G''が変化するすることを見出した.また,フィラーとポリマーの界面の相互作用の大きさを変えることでガラス転移温度が変わることを示した. (3)粘弾性流体における粘着・剥離現象の観察 研究では,粘弾性流体における粘着・剥離現象として,CTAB・NaSal水溶液を用いた回転円筒体内部での転がり挙動の観察を行なった.その結果,サンプルのバルクの粘弾性の影響により本来ならばディップコーティングに適した高速壁面速度条件下でコーティングが失敗することが見出された.また,実験の結果から類推することでサンプルによってはディップコーティングが不可能な条件が存在することを見出した.以上に加え,粘弾性流体の転落挙動を観察することで,転落時のサンプルの先端部分,すなわち前進接触線が振動を示すことが見出された.これは,粘弾性流体の強制濡れを考える上で前進接触角が重要な働きを示すことを示唆した結果となっている.
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Research Products
(34 results)