2008 Fiscal Year Annual Research Report
気候変化における成層圏の影響の評価および力学的役割の解明
Project/Area Number |
20244076
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
余田 成男 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (30167027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向川 均 京都大学, 防災研究所, 教授 (20261349)
小寺 邦彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 客員教授 (70343887)
廣岡 俊彦 九州大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90253393)
田口 正和 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (50397527)
柴田 清孝 気象庁気象研究所, 環境応用気象研究部, 室長 (50354494)
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Keywords | 気候変動 / 成層圏 / 対流圏 / 子午面循環 / 大気波動 |
Research Abstract |
○成層圏変化が各過程に及ぼす影響評価と力学的役割研究グループ: ・余田は大気化学気候結合モデルの相互比較実験の協同討議に加わり、成層圏寒冷化トレンドの現実とモデルとの異同を明らかにした。 ・廣岡は,最近の北半球冬季5年間における成層圏循環に関し,二乗平均平方根誤差とアノマリー相関に基づく予測可能性を調べ,5日から20日の間で大きく変動するが,平均すると約10日先から予測が可能であることを示した。 ・向川は,2007年3月に生じた成層圏突然昇温現象の直後に,上方伝播していた惑星規模波が成層圏で反射し,対流圏へ下方伝播したことを明らかにした。また,気象庁一ヶ月アンサンブル予報結果を用いて,成層圏循環変動が対流圏環状モードの予測可能性に影響を及ぼすことを明らかにした。 ・石岡は,数値モデルの高速化のための基盤整備として,IA32互換CPU上で高速に動作するFFTライブラリの開発を行い,フリーソフトウェアとしてインターネット上で公開した。 ○季節内変動・年々変動・気候変化における外部要因変動の力学的役割研究グループ: ・小寺は,シベリア上空から伝播していたプラネタリー波が上部成層圏で反射されアメリカ東岸に寒波をもたらす事例を示した。また近年熱帯域のENSOに伴う成層圏循環場の変動パターンが変化していることを明らかにした。 ・柴田は,過去再現実験における化学-気候モデルでシミュレートされたトレンドのシグナルを重回帰分析で解析した。気象場の再解析データERA40についても同様の解析を行い,モデルと比較した。上部成層圏での全球的な強い冷却や熱帯成層圏の冷却は非常によく再現しており,南極ではオゾンホールに伴う強い冷却も再現していた。 ・田口は,熱帯下部成層圏・上部対流圏における季節変化及びENSOに伴う変化の力学・熱力学を,大気大循環モデルシミュレーションのデータを解析して調査した。 ・堀之内は,COSMIC/FORMOSAT-3衛星群によるGPS掩蔽データから気温等の空間構造を解析するアルゴリズムを開発し,成層圏に入射する大気重力波の確率分布の特徴を明らかにした。
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Research Products
(4 results)