2010 Fiscal Year Annual Research Report
気候変化における成層圏の影響の評価および力学的役割の解明
Project/Area Number |
20244076
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
余田 成男 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30167027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀之内 武 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (50314266)
小寺 邦彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 客員教授 (70343887)
廣岡 俊彦 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90253393)
田口 正和 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (50397527)
柴田 清孝 気象庁気象研究所, 環境応用気象研究部, 室長 (50354494)
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Keywords | 気候変動 / 成層圏 / 対流圏 / 子午面循環 / 大気波動 |
Research Abstract |
2つの研究グループはそれぞれ下記の研究成果を上げた. ○成層圏変化が各過程に及ぼす影響評価と力学的役割研究グループ: ・南北両半球において近年見られた極渦分裂型の成層圏大規模突然昇温について,観測的特徴を比較するとともに,ブロッキング現象との関連や中間圏領域への影響について解析した. ・成層圏突然昇温(SSW)が北半球環状モード(NAM)の予測可能性に与える影響を調べるため,2009年と2010年冬季について予報実験結果等を用いて解析した.SSW後の予報では,SSW前に比べて対流圏NAM indexの予測スプレッドが有意に小さいことを示した. ・GPS掩蔽観測データ観測により,成層圏突然昇温時にしばしば大規模な前線構造が発達することを見出した. ・ジェットからの重力波放射について,理想化された2層モデルを用いて,放射される重力波振幅が流れ場のパラメターにどう依存するかを明らかにした. ○季節内変動・年々変動・気候変化における外部要因変動の力学的役割研究グループ: ・成層圏を通した太陽活動の気候への影響について調べ,成層圏プラネタリー波の伝播の違いによって熱帯に昇温が生じる場合と極域に生じる場合とがあることを理解するための概念モデルを形成した.また,対流圏の異常天候に対する太陽活動の影響を調べる解析を行った. ・ラジオゾンデ観測データを用いて,エルニーニョ/南方振動に関連した準二年周期振動の変調について解析した.気象庁1ヶ月アンサンブル予報データを用いて,冬季北半球成層圏の予測可能性の変動を調べた. ・気象研究所の化学-気候モデル(MRI-CCM1)を用い,過去再現アンサンブル実験および未来予測アンサンブル実験を行い,力学的な側面から解析した. ・最近の衛星観測による微量成分分布データを用い,2010年1月下旬に起きた成層圏突然昇温現象と,赤道域成層圏の変動に焦点を当てて,力学場との対応を調べる解析を行った.
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Research Products
(38 results)