2010 Fiscal Year Annual Research Report
全球ダスト動態解明のための観測・解析・モデルインタラクション
Project/Area Number |
20244078
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
三上 正男 気象庁気象研究所, 環境・応用気象研究部, 部長 (60354510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 和雄 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (80252295)
石塚 正秀 香川大学, 工学部, 准教授 (50324992)
清水 厚 独立行政法人国立環境研究所, アジア自然共生研究グループ, 主任研究員 (90332238)
田中 泰宙 気象庁気象研究所, 環境・応用気象研究部, 主任研究官 (50435591)
関山 剛 気象庁気象研究所, 環境・応用気象研究部, 主任研究官 (90354498)
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Keywords | 環境変動 / 気候変動 / 土壌現象 / 自然災害 / ダスト |
Research Abstract |
平成22年度は、(1)モンゴルの観測とダストスキームの検証、(2)ダスト沈着量の観測分析、(3)ライダーデータを用いたダストの特性の解析をおこない、(4)ダストモデルの改良と取りまとめを行った。 (1)モンゴルの半乾燥の草原で粒径別ダスト濃度の鉛直分布および粒径分布特性の予備観測を行い、粒径別鉛直ダストフラックスの評価法を確立した。また、オーストラリアで観測したダストフラックスデータを用いてダスト発生モデルの検証を行った。その結果、ダスト発生量は既存のスキームで良く再現できるが、地表面土壌粒径に感度が高いことが確かめられた。また(2)昨年度に引き続き、全国6ヶ所で1週間毎に乾性と湿性沈着とを分離してダスト沈着サンプルを2010年12月まで採取した。また、沈着サンプル中のFe含有量を蛍光X線分析により測定した。顕微鏡観察による花粉沈着量の解析結果と合わせて、鉱物質ダストの沈着量を見積もる手法を確立し、2009年の湿性沈着量の地理的分布と湿性沈着量を取りまとめた。さらに(3)衛星搭載ライダーと地上ネットワークライダーによる春季ダスト濃度の解析から、年々変動のパターンは発生域と日本域とで違いが大きく、国内のダスト濃度に対する気象場の重要性が示された。偏光解消度全球解析では、アジア域ダストが他地域(サハラ等)に較べて高高度・長距離にわたって高い値を維持することが明らかになった。地上ダスト重量とライダー下層データとの対比から、移流中のダストでは粒径分布変化よりも内部混合の進行による形状変化が重要であることが示唆された。 (4)乾性・湿性沈着観測ネットワークによる沈着フラックスの観測データおよびPM10データを比較対象として、全球ダストモデルMASINGARの粒径分布とモデルのダスト発生過程の改良を行うと共に高精度データ同化システムと衛星ライダー観測値を組み合わせ、全球ダスト分布の客観解析値を作成し、東アジアのダスト発生量のモデル誤差推定を行なった。
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Research Products
(39 results)