2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20246085
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
多々納 裕一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20207038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 憲夫 京都大学, 防災研究所, 教授 (00026296)
石川 裕彦 京都大学, 防災研究所, 教授 (60263159)
間瀬 肇 京都大学, 防災研究所, 教授 (30127138)
竹林 幹雄 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (80236497)
能島 暢呂 岐阜大学, 工学部, 教授 (20222200)
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Keywords | 国際重要インフラ / 災害リスクマネジメント / リスクガバナンス / 国際物流 / ネットワーク分析 / 東日本大震災 |
Research Abstract |
計画4年目にあたる本年度は,(1)「国際重要インフラの災害リスク分析モデルの構築」と(2)「国際重要インフラの災害リスクガバナンス戦略に関する分析」を継続するした。これらの課題に加えて、以下の点に関しても分析を開始した。 (a)GISを利用した統合シミュレーションモデルの構築とケーススタディ:22年度までに構築した統合型の国際重要インフラの災害リスク分析モデルと国際的な貨物輸送パターンの生成モデルとを用いて統合したGISベースの統合シミュレーションモデルの構築を試みた。総合的なケーススタディとしてマラッカ海峡の機能停止の問題を想定した分析を開始した。統合したGISベースの統合シミュレーションモデルの構築を試みた。 (b)国際交通ネットワークのリスクガバナンスのための制度設計:22年度に引き続き、国際的な協調の可能性に関してモデル分析を行った。国際条約や規制などを通じた安全投資の動機付けの可能性についても検討を開始した。特に、港湾の被災によって生じた他国への影響を緩和しうるような保証金制度の導入が安全投資のために必要な自発的参加のインセンティブやシステム全体としての安全性の改善に寄与しうる制度となりうることを見出した。ただし、この制度を有効に機能させるためには保障金の額が巨額となり、資本コストを考慮すると現実的でない可能性がある。この点を考慮して、次年度には災害証券(Catボンド)などの導入の可能性に関しても検討を開始することとした。 (c)東日本大震災の港湾及び後背地への影響に関する実態調査:東日本大震災を受けて、港湾関連施設や、海岸構造物、後背地の生産能力等に関する調査研究が実施された。その結果、、地震・津波によって発生した港湾及びその後背地の被災が国際・国内交易に及ぼす影響に関する研究を進展させるために不可欠な基礎データの充実が進んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災を受けて、関連研究等の用務が発生したため、研究計画の遅延が懸念されたが当初の予定どおり順調に進んでいる。むしろ、東日本大震災を対象とした調査研究によって基礎データの充実が進んだと考えられる。特に、地震・津波によって発生した港湾及びその後背地の被災と国際・国内交易への影響に関する研究は今後この分野の研究を進展させるための不可欠な要素となると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、研究の最終年度にあたるため、総合的なケーススタディに力を裂きたいと考えている。併せて、東日本大震災によって得られた貴重な基礎データを研究の進展につなげる努力も継続していきたい。
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Research Products
(28 results)