2009 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学インピーダンス法の原理に基づく耐候性鋼橋梁の環境劣化モニタリングシステム
Project/Area Number |
20246108
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
西方 篤 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90180588)
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Keywords | 耐候性鋼 / 大気腐食 / 橋梁 / 電気化学インピーダンス / 腐食モニタリング |
Research Abstract |
本年度は,10mHzのインピーダンスの逆数R_P^<-1>を大気腐食速度の指標として用い,福山と新潟の橋梁で一般耐候性鋼(WS)とNi耐候性鋼(NiWS)の腐食モニタリングを行った,両橋梁ともにR_P^<-1>は高湿度になると大きくなった.また,両橋梁を比較すると,新潟の腐食速度が大きかった.この傾向は腐食減耗量の結果と一致する。一方,WSとNiWSを比較すると,腐食減耗量の結果とは異なり,必ずしもNiWSの腐食速度が小さいという結果は得られなかった.本環境ではWSとNiWSの腐食減耗量の差は小さく,この差を測定できるほどの精度は高くないことが考えられる. 新潟と福山のR_p^<-1>の値を湿度に対してプロットすると,新潟では,30~85%の範囲でR_p^<-1>は湿度の上昇とともに増加したが,福山では無視できるほど小さかった.湿度が85%を超えると両橋梁ともにR_p^<-1>は急激に増加した.85%以下での挙動の違いは,付着塩量の違いに起因しているものと思われる.従って,新潟の腐食減耗量が大きかった理由は,85%以上の高湿度になる頻度が高いため,および付着塩量が多いためと考えられる.一方,相対湿度が一定のときのR_p^<-1>を温度に対して整理すると,R_p^<-1>は温度が上昇するにしたがって増加することがわかった. 腐食減耗量から求めた平均腐食電流I_<corr>と腐食モニタリングから得られたR_p^<-1>の6ヵ月の平均値は,極めて高い相関を示すことがわかった.これにより以下の相関式を得た. I_<corr>/Acm^<-2>=3×10^<-5>×(R_p^<-1>/Ω^<-1>cm^<-2>)^<0.21> (1) 予想通り,電流線の分布の問題から,両者は比例しないが,R_p^<-1>を連続的にモニタリングすることにより,この式を使って低合金鋼の平均大気腐食速度を推定できる.
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Research Products
(2 results)