2009 Fiscal Year Annual Research Report
パルス中性子透過分光撮影法の透過断面積変化の解明と新応用分野の開発
Project/Area Number |
20246136
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鬼柳 善明 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (80002202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古坂 道弘 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60156966)
加美山 隆 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50233961)
持木 幸一 東京都市大学, 工学部, 教授 (80107549)
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Keywords | 加速器 / 量子ビーム / ラジオグラフィー / 中性子 / 結晶組織構造 / 結晶子サイズ / 結晶配向 / 溶接材 |
Research Abstract |
(平成21年度分) パルス中性子透過法では、波長依存の透過スペクトルを解析して、結晶組織構造の情報を取り出す。そのためには、データ解析コードが重要となる。このコードの高度化を行うため、鉄溶接材の中性子透過実験を、北大電子加速器冷中性子源を用いて行い、このデータの解析を通じて、コードの高度化を行った。実験試料は5cm角、厚さ6mmの2枚の圧延鉄をテグ溶接したもの、溶接していない圧延板2枚、溶接部の断面を見るために作成したカット材である。コードの高度化としては、20年度には、結晶配向を解析するためのモデルと結晶子サイズの大きさを評価する簡易モデルを組み込んだ解析コードを作成したが、21年度は結晶子サイズの大きさを評価するモデルとして、結晶構造解析のコードに使われているものを組み込んだ。このコードを用いて解析を行った結果、溶接の影響がないところでは、圧延の影響を受けて結晶配向が強く、溶接部では溶接による再配向のため等方的になっていることが示された。また、溶接をしていない板材でも、それぞれ配向に違いがあることなどが分かった。また、溶接部では周囲と比べると、結晶子サイズが小さくなっていることも分かった。光学顕微鏡でみた結晶粒のサイズからも、この傾向は検証された。新しいコードでは、結晶子サイズの評価がより厳密になっており、このコードを透過スペクトル解析に用いることによって、定量的なデータが評価できることが示された。 また、高速度カメラを用いた飛行時間法の開発の第1段階として、高速度カメラによる中性子イメージの取得を行い、次年度の開発のための基礎データを取得した。
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Research Products
(13 results)