2009 Fiscal Year Annual Research Report
転写・翻訳を担う超分子複合体RNAポリメラーゼおよびリボソームの結晶構造解析
Project/Area Number |
20247008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 茂之 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (00159229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 俊一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (50321774)
伊藤 拓宏 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (70401164)
藤井 佳史 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (30392096)
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Keywords | 転写 / RNAポリメラーゼ / 転写因子 / 翻訳 / リボソーム / 翻訳開始因子 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
転写(関根、横山):高度好熱菌RNAポリメラーゼ(RNAP)と転写伸長因子の一種Gfh1との複合体のX線結晶構造解析に成功した。また、RNAP伸長複合体とGfh1との四者複合体(RNAP:DNA:RNA:Gfh1)の構造解析にも成功した。複合体の調製・結晶化について一報の論文としてまとめた。複合体中で、RNAPはこれまでに見いだされていなかった新たなコンフォメーションをとっており、RNAPがDNA上を1塩基ずつ移動していく際の中間状態が転写因子によってトラップされたものと考えられる。転写因子を結合した細菌のRNAPの結晶構造は世界初であり、RNAPの移動のメカニズムと転写因子のはたらく仕組みを同時に明らかにした意義は大きい(論文投稿中)。さらに、転写の精度の維持に重要な役割を担う転写因子であるGreAを加えた複合体の結晶化を進めている。 翻訳(伊藤、藤井、横山):結晶化および構造解析に成功していたヒト由来翻訳開始因子eIF2Bαの立体構造およびその立体構造に基づく考察を報告する論文をまとめた。引き続きヒト由来翻訳開始因子ヘテロ5量体eIF2Bの調整方法の確立に取り組んでいる。他の真核生物由来の翻訳開始因子については、現在までに、酵母由来ヘテロ3量体eIF2の再構成が可能になりつつあり、結晶化へと進むべく調整方法の確立に取り組んでいる。高度好熱菌の小サブユニットと翻訳開始因子IF1との複合体の結晶化、および真核生物の小サブユニットの結晶化については構造解析が可能な質の結晶を得られていないため、来年度も引き続き実験を進める。
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Research Products
(4 results)