2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20247026
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 和俊 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (70182194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
親泊 政一 徳島大学, 疾患ゲノム研究センター, 教授 (90502534)
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Keywords | 小胞体 / 分子シャペロン / 転写誘導 / ノックアウトマウス / 選別輸送 / 還元 / 脂肪滴 / アポリポプロテイン |
Research Abstract |
1)小胞体ストレス感知の分子機構(ATF6還元酵素の同定) ATF6の内腔領域に存在するCys467とCys618が分子内および分子間でジスルフィド結合を形成しており、ATF6は通常時モノマー、ダイマー、オリゴマーとして存在する。Cys467をアラニンに置換すると、freeになったCys618を持つATF6は予想通りモノマー、ダイマーとして存在した。一方、Cys618をアラニンに置換すると、freeになったCys467を持つATF6は予想に反して他のタンパク質とのジスルフィド結合を介してオリゴマーを形成することがわかった。しかしながら、ATF6にはCys467とCys618以外にも、膜貫通領域および細胞質側に3つのシステイン残基が存在するため、これらがジスルフィド結合してオリゴマーを形成している可能性を排除することができなかった。そこでこれら3つのシステイン残基を全てアラニンに変えた変異体を作成し解析したところ、freeになったCys467を持つATF6はオリゴマーを形成した。よって、Cys467と共有結合を形成するこの相手タンパク質は、ATF6を小胞体ストレス依存的に還元する酵素である可能性が高いと結論した。 2)応答破綻の影響解析(脂肪肝形成への影響) ATF6αノックアウトマウスの腹腔に小胞体ストレス誘導剤であるツニカマイシンを投与すると、肝臓が白色となり、3~4日で死亡する。白色となった肝臓には脂肪滴が蓄積しており、脂肪肝となっていた。肝臓内の中性脂肪の量は、取り込み、合成、分解、放出によって制御されている。マイクロアレイ解析を行ったところ、これらに関与するタンパク質の発現量は低下していた。一方、脂肪滴形成に関与するADRPとTIP47の発現量は顕著に上昇していた。中性脂肪を分解するβ酸化能力が低下していることと脂肪滴形成能力の上昇が脂肪肝の原因となっていると考えられた。
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Research Products
(3 results)