2010 Fiscal Year Annual Research Report
現代の生活環境における行動履歴が生理的多型性に及ぼす影響、及びその適応性評価
Project/Area Number |
20247034
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安河内 朗 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (20136568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 享史 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90301407)
石橋 圭太 千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40325569)
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Keywords | 光曝露履歴 / 体温リズム位相 / メラトニン分泌抑制 / 体温調節 / 協関反応 / 行動履歴 / 起立性循環調節 / 下半身陰圧装置 |
Research Abstract |
LED3000K、蛍光灯3000K及び蛍光灯5000Kを夜間の照明光として、午前1時から2時30分までの光曝露による体温リズム位相への影響を検討した。その結果、直腸温、皮膚温の変化には光条件間の差が見いだされなかったが、LED3000Kの条件下で直腸温の最低時刻が他の光条件よりも早くなる傾向がみられ、LED3000K光曝露下の小さいメラトニン分泌抑制に関連していることが示唆された(安河内)。若年成人男子14名を対象に、慨日リズム位相と夜に光曝露(1000 lux,4時間)を行ったときのメラトニン抑制率の関係を調べた。その結果、両者の間には負の相関関係が認められ、光に対するメラトニン抑制の反応性が高い個体ほど慨日リズム位相が早いことが分かった。光に対する非視覚系の反応の個体差が慨日リズム位相に影響している可能性が示唆された(樋口)。 暑熱負荷および寒冷暴露時の体温調節反応と身体活動量の関係を詳細に検討するために、成人男性を対象に、暑熱負荷実験、寒冷暴露実験、最大酸素摂取量測定、行動量調査、食物摂取頻度調査、基礎代謝量測定、血管機能検査を、8週間の運動トレーニング後に実施した。トレーニング後では、暑熱時の発汗開始時皮膚血流増加及び寒冷時の皮膚血流低下増大がみられ、これらは最大酸素摂取量や血管機能とそれぞれ正相関及び負相関が認められた。身体活動量増加は体温調節協関反応パターンを変化させ、耐暑性および耐寒性を向上させることが示唆された(前田)。 電子制御型下半身陰圧装置を用いて周波数領域での起立性循環調節の応答特性を探るため正弦波様の陰圧負荷をかける制御方法を開発した。これにより直立時の血管収縮反応の周波数領域での応答の測定が可能となった。また人工気象室が使用できない状況での暑熱負荷方法として水循環スーツをもちいた温熱曝露装置を導入した。これら最終年度にむけて測定環境の整備を行った(石橋)。
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Research Products
(24 results)