2011 Fiscal Year Annual Research Report
現代の生活環境における行動履歴が生理的多型性に及ぼす影響、及びその適応性評価
Project/Area Number |
20247034
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安河内 朗 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (20136568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 享史 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (90301407)
石橋 圭太 千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40325569)
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Keywords | 照明環境 / サーカディアンリズム / 協関反応 / メラトニン / 温熱 / 体温調節 / 重力 / 起立性循環調節 |
Research Abstract |
オフィスワークを想定した実験室実験において、東日本大震災以降実施されることが増大したオフィスの推奨照度(750 lx)以下の節電照度水準の妥当性を、オフィス生産性、主観、サーカディアンリズムの観点から検討した。その結果、朝9時から750 lx、色温度6000Kで維持したのち、午後2時から5時にかけて400 lx及び4000Kに漸減する照明制御方法が750 lx(5000K)一定条件よりサーカディアンリズムにおいて優れていることが明らかになった。また節電照度となる400 lx一定条件では生産性及びサーカディアンリズムにおいて問題が残ることが示唆された。 成人17名(平均41.7歳)を対象に、サーカディアソリズムの位相(Dim Light Melatonin Onset)と家庭の照明環境の関係を調査した結果、家庭照明の照度はサーカディアンリズム位相と関係していなかったが、色温度とサーカディアンリズム位相の間に有意な正の相関がみられた。高色温度の蛍光灯の使用がサーカディアンリズム位相の後退の原因になっていることが示唆された。 運動トレーニング後(Post-T)の対象数を追加し、身体活動量と体温調節協関反応の関係の詳細な検討を行った。暑熱下発汗時の直腸温、腹部皮膚温はトレーニング前後に差はなかったが、前腕皮膚温はPost-Tで増加傾向を示した。また、寒冷下代謝亢進時の直腸温は変化せず、腹部皮膚温は上昇、前腕皮膚温は低下傾向を示した。発汗・代謝の体温閾値間の範囲は、Post-Tで直腸温および腹部皮膚温の閾値幅はともに減少し、前腕皮膚温の閾値幅は増加した。 暑熱曝露および行動履歴による起立性循環調節の応答特性の違いを正弦波様の下半身陰圧負荷を用い周波数領域で検討した。被験者12名のデータから暑熱曝露により陰圧負荷に対して血管収縮よりも心拍反応による相対的寄与が高まることが示唆されたが、30秒周期の比較的早い負荷の変化に対して心拍数および血管収縮の反応の循環調節系の応答が十分に機能していないことが明らかとなった。行動履歴との関連において、朝型傾向の被験者ほど少ない心拍数上昇で負荷に対して対応していることが示唆された。
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Research Products
(28 results)