Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
縄田 栄治 京都大学, 農学研究科, 教授 (30144348)
舟川 晋也 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (20244577)
矢内 純太 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (00273491)
角野 貴信 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (50511234)
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Research Abstract |
本研究では,実験的アプローチとフィールド実測を併用して,湿潤熱帯域における土壌有機物動態を記述する新たなモデル構築を目指す。研究初年度である平成21年度は,以下の調査・研究を行った。 1)検証可能なメカニスティック・モデルを考案する際,土壌微生物の基質に対する応答を理解することは必須である。平成21年度は,生態系で現実的なレベルの基質(グルコース)に対する土壌微生物の応答,およびこれが酸性ストレスにどのような影響を受けるかについて,異なる土壌を用いて検討した。その結果土壌微生物は,基質が制限された環境下では,純粋培養系の微生物と比べて効率的に基質を取り込むことが分かった。一方根や新鮮有機物近傍など,急激な基質添加がある場合には,基質消費量当たりの呼吸量が大きくなる(効率が低下する)ことが示された。また酸性土壌や被攪乱農耕地土壌では,上記のような一時的な基質添加に際して,より効率が低くなる傾向があることが示唆された。 2)モデルを検証するために必要なフィールド・データの収集を目的として,タイ国コンケン市,インドネシア国東カリマンタン州,タンザニア国モロゴロ州,カメルーン国東部州の各地森林および耕地において,データロガー等のモニタリング機器の設置,土壌呼吸速度の測定など土壌有機物動態の実測を開始した。これらの調査地は,気候の相違(明瞭な乾季の有無),地質・土壌の違い(順に砂質,強酸性,雲母質,強風化の特徴を持つ)によって選択されたものである。
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