2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20248012
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
内海 龍太郎 近畿大学, 農学部, 教授 (20151912)
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Keywords | two-component system / EvgS-EvgA / PhoQ-PhoP / SafA / B1500 / Bacteria / Signal transduction / small membrane protein |
Research Abstract |
1,センサーPhoQ に対するコネクターSafA の作用機構 safA ペリプラズム領域(safA41-65)によるPhoQの活性化は、PhoQ の既知シグナルであるMg^<2+>、酸性pH、陽イオン抗菌性ペプチドとは競合せず、SafA独自の活性化メカニズムが示唆された。このことは、Mg^<2+>に応答しなくなったPhoQ 変異体にもSafAによる活性化が認められたことからも支持された。PhoQ のセンサー領域(PhoQ43-190)とsafA41-65 の相互作用をNMRによって解析したところ、SafA41-65 の添加によってPhoQ43-190の一部のアミノ酸残基に変化が認められ、SafA41-65とPhoQ43-190 の直接作用が確認できた。さらに、高濃度のMg^<2+> 存在下のPhoQ43-190 にSafA41-65 を加えるとPhoQ43-190 に新たな変化が生じ、逆にsafA41-65 存在下のPhoQ43-190 に高濃度のMg^<2+>を加えた場合もPhoQ43-190 に変化が認められたことより、SafA41-65 がMg^<2+>とは異なる領域に作用することがNMR解析からも明らかになった。 2,センサーの活性を制御する新規遺伝子のスクリーニングと解析 前年度のスクリーニングで得られたYibNの解析を進めた結果、YibN のN 末端側がペリプラズム領域でセンサーBasS の活性を抑制することが明らかになった。本年度は、44種類の機能未知膜タンパク質について大腸菌の各センサーとの相互作用をスクリーニングした。その結果、新たにYaiY がRcsCDB 系のRcsD と相互作用し、RcsCDB 系を活性化することが認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コネクター分子SafA によるセンサーPhoQ の統合部位がNMR等の手法により特定化され、SafA によるPhoQ の活性化機構が世界で初めて解明された。また、SafA 以外の新規コネクター分子として、YibN が見出され、新規な細菌情報ネットワークの分子機構が明らかにされた。
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Strategy for Future Research Activity |
PhoQを^<13>C^<15>Nでラベルした後、SafAと反応させNMR解析し、SafAのPhoQ統合部位のアミノ酸を特定する。さらにX線を用いてPhoQ、SafA の共結晶構造解析を行い、PhoQ、SafA 複合体の構造を決定する。YibN 遺伝子の転写制御機構を明らかにするとともに、その機能解析を行い、本ネットワークの細菌における意義を明らかにする。
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Research Products
(37 results)