2010 Fiscal Year Annual Research Report
VA-Liposome-siRNAHSP47を用いた抗線維化治療
Project/Area Number |
20249044
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
新津 洋司郎 札幌医科大学, 分子標的探索講座, 特任教授 (10045502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 康史 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80343383)
瀧本 理修 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10336399)
加藤 淳二 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20244345)
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Keywords | 抗線維化 / HSP47 / siRNA |
Research Abstract |
臓器線維症はしばしば致死的な結果をもたらすにも拘らず、これまで有効な治療法は存在しなかった。我々は本研究で活性化星細胞がコラーゲンを分泌することで臓器線維症を引き起こすことならびに、Vitamin A(VA)を特異的に取り組むという事実に基づき、コラーゲン分泌に必須の役割を演ずるHeat shock protein 47(HSP47)のsiRNAをVA結合リポゾームに含有させた薬剤を開発した。この薬剤のsiRNAにFAM(蛍光色素)を結合させ、DMNで誘導したラット肝硬変モデルに静注投与したところ肝の活性型星細胞に特異的に分布していることが確認された。そこで同ラットに、本薬剤を全身投与(静注)して治療効果を調べたところ、明確な用量依存性をもって延命効果が認められると同時に組織のコラーゲンが消失していた。このような抗線維作用のメカニズムには単にコラーゲンが消失するという事象のみならず、活性化星細胞がアポトーシスに陥ることも関与していた。一方、正常ラットに薬剤投与して、静止星細胞を調べたところ、アポトーシスは全く見られなかった。本薬剤による線維融解効果はさらにCCL_4投与ラット肝硬変モデルや胆管結紮ラット、肝硬変モデルにおいても確認された。また、DBTCおよびceruleinで誘導した膵線維症のラットモデルにおいても本薬剤は著効を示した。 以上から本研究で開発した我々の薬剤は膵器線維症の新規治療薬として極めて有望であることが示された。
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Research Products
(6 results)