2010 Fiscal Year Annual Research Report
臨地実習生の質の確保のための看護系大学共用試験(CBT)の開発的研究
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20249084
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
柳井 晴夫 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (60010055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松谷 美和子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (60103587)
亀井 智子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (80238443)
佐伯 圭一郎 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (50215521)
西田 みゆき 順天堂大学, 医療看護学部, 講師 (00352691)
中山 洋子 福島県立医科大学, 看護学部, 教授 (60180444)
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Keywords | CBT試験 / 基礎医学 / 看護専門科目I / 看護専門科目II / 紙筆試験 / 正答率 / 項目反応理論 / 識別度 |
Research Abstract |
平成22年9月から10月にかけて全国の看護系8大学(国公立大学4、私立大学4)でCBTトライアルの実施を行い、実施中に得られた受験者アンケートおよび運用成績をもとに、システムの修正、改善策の検討を行った。紙筆検査の場合は、3つの大科目である、「基礎医学」、「看護専門科目I」、「看護専門科目II」のそれぞれについて6+7+5=18の科目、に分けて問題を選択した。基礎医学は、3グループすべてに同一も共通問題を作成、看護専門科目I,IIはグループごとに異なる問題を実施した。グループ別に異なる問題ではあったが、グループ別にみた場合の難易度がほぼ同一、内容も均等になるように配慮して問題を選択した。3つの大科目のすべてを解いた受験者総数は、国立(55名)、公立(40名)、私立(118名)、合計213名であった。 次に、作製されたCBT試験結果の概要について述べる。「基礎医学」の成績は私立に比べ国公立の受験者の成績が高くなった。一方、「看護専門科目I」は国公立大と私立大の成績がほぼ同一、主に臨床看護の科目からなる「看護専門科目II」の成績は、国公立大に比べ私立大の方が高くなった。個人ごとに選択される問題が異なるCBTモニター試験結果と、紙筆試験によるモニター試験結果は、きわめて類似したものになった。このことは、解答者によって問題が異なるCBT試験において、不公平さがそれほど問題にならないことを意味するものといえる。しかし、CBT試験と紙筆試験の結果を精査すると、紙筆試験に比べ、CBT試験の方がやや正解率が高くなる傾向が見られた。試験科目別にみると、CBTになると正答率が高まる科目は「看護倫理学」、「公衆衛生学」、「看護管理学」、「薬理学」、「成人看護学」、「老年看護学」、「小児看護学」の正答率に差が見られない科目は「生化学」、「解剖学」、「生理学」、「基礎看護学」、CBTになると正答率が下がる科目は「母性看護学」のみであった。なお、項目反応理論プログラムBILOGにより、全項目の識別度、困難度を求めたところ、全体的にみて識別度の高い項目が作製されていることが判明した。
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Research Products
(5 results)