2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
The Environmental Changes of Water Resources at the Ancient Archaeological Sites by the Global Climatic Events after the Last Glacial Maximum
Project/Area Number |
20251002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 海外学術 |
Research Field |
Geography
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
KASHIMA Kaoru Kyushu University, 大学院・理学研究院, 准教授 (90192533)
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Project Period (FY) |
2008 – 2011
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Keywords | 大規模気候変動 / 水文環境 / 遺跡立地 / 第四紀 / 砂漠化 / 地球温暖化 / 国際共同研究 |
Research Abstract |
最近の地球環境の変動に関する視点は、氷床におけるダンスガード・オシュガーサイクルの発見以来、大きく変わりつつある。地球環境が、短期(10~102年オーダー)においても、急激に変化してきたという事実は、今後の地球環境の変動予測に大きな影響を与えてきた。特にこの数年で、完新世においても気候は安定的ではなく、8200年前に世界的な寒冷化イベントが発見されるなど、氷期と同様に、大規模気候変動事変が存在することが明らかとなった。 一方、本研究の調査地域である西アジア・中央アジア地域においては、従来から、その遺跡の分布や立地環境の変動によって、新石器時代以降、大規模な気候変動、特に湿潤期と乾燥期が繰り返し出現することが推定されていた。これらの変動は、上記の地球規模の大規模気候変動事変との関わりが想定されるものである。しかし、これらの地域の社会情勢の悪化とも関わり、近年は継続的な現地調査の機会も少なく、その気候変動の詳細が検討されないまま残されてきた。 特に、本研究の目的とする、気候、降水、地下水、植生、動物相など、遺跡を取り巻く自然環境変動に関する研究は、単発的に短期間の調査によるもの、これまでの概論をまとめたものを除くと、本研究における研究代表者および研究分担者による研究以外では、本格的な研究はイスラム原理主義革命以前の、1970年代以前までさかのぼらなければならないことが実情である(Butzer, 1995;Erol, 1978)。 このように陸上における新しい資料が得られないため、同地域の古環壌変動については、主に、地中海東部、エーゲ海およびマルマラ海などにおける海洋掘削調査による研究で議論されてきた。これらは調査年度も新しく、その精度も高い。(Sperling, 2003)またが、内陸域では、バイカル湖など大湖沼における掘削調査が進んできた。本研究は、これらの研究動向を背景として、これまで研究の遅れてきた平野、盆地、湿地、小規模湖沼などの陸地域における調査を充実させることを目的とする。これらの地域では多数の遺跡が立地しており、それらを手がかりとして、最新の分析探査手法を用いながら、環壌変動の実態を明らかとするものである。
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Research Products
(10 results)