2009 Fiscal Year Annual Research Report
大陸部東南アジア仏教徒社会の時空間マッピング:寺院類型・社会移動・ネットワーク
Project/Area Number |
20251003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 行夫 Kyoto University, 地域研究統合情報センター, 教授 (60208634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴山 守 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (10162645)
土佐 桂子 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (90283853)
長谷川 清 文教大学, 文学部, 教授 (70208479)
高橋 美和 愛国学園大学, 人間文化学部, 准教授 (40306478)
笹川 秀夫 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 准教授 (10435175)
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Keywords | 東南アジア大陸部 / 西南中国 / 地域情報学 / 社会移動 / 上座仏教 |
Research Abstract |
本研究の目的は、地域の歴史的経緯を背景にして、上座仏教徒が造営する寺院施設を類型化し、出家活動のパターン、寺院と人の移動が築くネットワークの様態を解明することにある。二年度目の課題は、初年度に画定した各国の調査区画(ラオス、カンボジア、西南中国(西双版納および徳宏))で雨季の出家行動パターンを捉えるデータを15日から30日にわたる調査で収集し、初年度より調査された全地域の調査区画の結果を通観することにあった。その結果、出家行動のみならず、寺院施設の開設パターンなど、従来の通説を覆す発見がこの段階で明らかになった。なお、今年度も調査が不可能となったミャンマー班は、タイ国境の地域(メーソート県)で、ミャンマーからの出家者が多く集まる寺院を中心にタイとの共同調査を実施した。ラオスでも、二つ目の調査区画(ルアンパバーン)を踏査し、同一国内での比較が可能となった。他方で、タイの調査区画の経年データを用いて、地域情報学の手法による時空間解析を開始し、その一部を情報学会で公表した。ラティスやオートマトンによる解析は、他地域でのデータを解析する際の基本モデルとなる見通しがついた。さらに、現在整理段階にある各国語で記載された資料は、時間軸を使って出家者の行動パターンをすべて統一的にインプットして分析するデータ解析の試みが提案された。タイのチュラーロンコーン大学社会調査研究所との共同で、収集された資料の一部をタイ仏教庁統計資料部に公開し、将来の共同調査が検討されはじめた。ミャンマーの個人史を記録する「僧侶名鑑」に依拠した寺院と移動の記述のデータベース化作業は完了する見込みである。各地で収集された資料をマッピングデータベース化するために、関連する地図および地図作成に必要なGISデータ、衛星写真等を入手しているが、統一的なフォーマットの整備を始めた。
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Research Products
(33 results)