2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20251009
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
窪田 幸子 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (80268507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽我 亨 弘前大学, 人文学部, 教授 (00263062)
高倉 浩樹 東北大学, 東北アジア研究センター, 准教授 (00305400)
内堀 基光 放送大学, 教養学部, 教授 (30126726)
大村 敬一 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (40261250)
杉藤 重信 椙山女学園大学, 人間関係学部, 教授 (70206415)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | オーストラリア / 先住民 / 少数者 / 国家、人権 / アイデンティティ / ネオリベラリズム / グローバリゼーション |
Research Abstract |
本研究は、20世紀末から力を持つようになった国際的なイデオロギーとしての「先住民」概念を視野に入れつつ、国際世論と国家の少数民族政策のもとで、少数者である当事者の人々が、近代国家の枠組みの中で、どのように主流社会と交渉し、先住民としての自己のアイデンティティを構築していくのか、その動態をあきらかにすることを目的として、比較の視点からの研究をおこない、「先住民」という概念の再考を通じ現代社会の理解に迫ってきた。本年度は、研究の最終年度に当たった。最初の2年間におこなった分担者と共同でのオーストラリアでの調査、それと並行して行ってきた各自の専門地域での比較調査、これまでの研究会と通算3回の国際ワークショップを踏まえて、プロジェクトとしての大きな道筋を見出すことができた。先住民としてのアイデンティティを選び取る・選び取らないという選択の幅がみられる現状について、先住民のアイデンティティ構築にはグローバリゼーション、なかでもネオリベラルな経済的影響が大きいことが指摘できた。そこで、今年度1月におこなった最終の国際シンポジウムではこのスキームをベースとして共有し、代表者、分担者そして海外研究協力者の全員がスキームに寄り添った形で研究発表をおこない、ゲストをまじえ二日間の議論を行った。特に、地域の差の背景には、ネオリベラリズムに代表される経済的イデオロギー差が重要である点が明確にできた。この点を中心として発表論文を現在書き直し中であり、海外研究協力者のニコラス・ピーターソン教授(オーストラリア国立大学)の協力の下、編集作業を進め、年度内にオーストラリア国立大学出版会からの出版が予定している。日本の調査者を中心とする先住民研究の英語での論集は初めてのものとなり、これまでとは異なる視座からの貢献として位置付けられることとなる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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