2008 Fiscal Year Annual Research Report
大規模災害被災地における環境変化と脆弱性克服に関する研究
Project/Area Number |
20251011
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Section | 海外学術 |
Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
林 勲男 National Museum of Ethnology, 民族社会研究部, 准教授 (80270495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 良男 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 教授 (60148294)
高桑 史子 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (90289984)
田中 聡 富士常葉大学, 環境防災学部, 准教授 (90273523)
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Keywords | 文化人類学 / 自然災害 / 脆弱性 / 環境対応 / 民族誌 |
Research Abstract |
初年度は、まず各メンバーのこれまでの研究についての報告と本プロジェクトの計画に関する会合を6月下旬に開催した。 現地調査は、金谷がインドのグジャラート州カッチ県において、被災地である染色産地の村の移住に伴う生活上の変化について調査した。林は本務の関係から調査可能な乾季にパプアニューギニアの現地に入れず、シドニーのニューサウスウェールズ州立図書館での文献調査と、大規模災害被災地復興の比較の観点から、1906年に発生したサンフランシスコ地震・大火災の復興過程に関して、図書館・博物館等で関連資料の収集を実施した。 2004年のインド洋地震津波災害被災地調査として、杉本がインド、タミルナードゥ州ナーガパッティナム県庁より公刊された津波災害報告書の分析を行い、同州中東部および南部の被災地の現状と復興過程における宗教のはたす役割について現地調査を実施し、関連資料を収集した。高桑はスリランカ南岸の2箇所の地区を選定し、異なる出身地域/職業の人々から形成される新たなコミュニティ建設の状況に関して現状を把握した。インドネシアのバンダアチェでは、田中が復興住宅の建設過程について、現場の職人に対するヒアリング調査を実施し、同様の形式であるフィリピンのNon-Engineered住宅の建設過程との比較検討を行なった。牧はバンダアチェ近郊に位置する2つの再定住地において、入居者の1)元の居住地、2)入居に至る経緯、3)職業に関して調査した。齋藤はバンダアチェ被災地の土地権、特に、賠償金不払い事例における政府側と住民側の土地占有と権利に関する解釈の違いを調査するとともに、土地問題関係の資料を収集した。鈴木はタイ南部パンガー県のスリン諸島内にある「少数民族」モーケン村落において、被災後の生活変化に関する聞き取り調査を実施した。 山本と柄谷は、本年度は現地調査を実施せず、これまで収集したデータの分析をし、学会発表や論文として成果を公開した。
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Research Products
(24 results)