2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20300011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中島 浩 Kyoto University, 学術情報メディアセンター, 教授 (10243057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩下 武史 京都大学, 学術情報メディアセンター, 准教授 (30324685)
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Keywords | 並列処理・分散処理 / 並列化ライブラリ |
Research Abstract |
●トップダウンアプローチ(主担当・中島) 非数値的な並列計算に関する知見・経験の計算科学応用への適用例として、粒子シミュレーションの負荷分散アルゴリズムOhHelpを、並列化ライブラリの一つとして実装した。OhHelpは静的な領域分割法により領域計算負荷を均衡化しつつ、個々の並列プロセスが2つの部分領域と領域内に存在する粒子を担当することで粒子計算負荷も動的に均衡化する画期的なアルゴリズムであり、これまで粒子シミュレーションでは不可能だった1000並列以上のスケーラビリティが確認された。またOhHelpを利用するための19種のAPI関数・手続を定め、粒子数ヒストグラム作成、動的負荷分散、プロセス間粒子移送、部分領域境界処理などを既存シミュレータに容易に組み込む手段を用意した。またこれらにより、次年度に実施するライブラリ構築のための基本的構成要素が得られた。 ●ボトムアップアプローチ(主担当・岩下) 特定の計算パラダイムを仮定して設計されていたICCG法やマルチグリッド法などに基づくソルバーを、応用プログラムが要求するパラダイムに対応させるための拡張について研究した。具体的には、UMA型の共有メモリシステムを念頭に設計されたソルバーをNUMA型システムへの適用するための改良と評価や、共有メモリを前提としたソルバーの分散メモリ実装と評価などを実施し、ソルバー側で多様な計算パラダイムに対応するために必要な技術・技法について有益な知見を得た。またトップダウンアプローチに基づく粒子シミュレーションにおいて、応用側が規定するデータ分割とポアソンソルバーが要求するデータ分割との差異を吸収する配置変換モジュールを設計・実装し、問題規模や求解頻度に応じて配置変換法を選択することの必要性を検証した。
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Research Products
(21 results)