2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20300077
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
張 浦華 札幌市立大学, デザイン学部, 准教授 (00302399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿山 浩一郎 札幌市立大学, デザイン学部, 講師 (30410517)
原田 昭 札幌市立大学, デザイン学部, 教授 (70114121)
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Keywords | 感性評価 / 総合評価値 / 脳波スペクトル / 快適度 / 視点移動軌跡 / 情緒的連想 / 比喩的連想 / 機能的連想 |
Research Abstract |
22年度本研究では、工業製品などの形態に対しての人間の快・不快反応を、生理指標である脳波によって評価することができるかどうかについて、形態に対しての視点追跡、脳波計測と、総合評価値、とによって客観的に形態を総合的に評価する方法の確立を目的として、実験検証を行い、次のことがわかった。 1.ヒトが機能を有するデザイン作品に対する評価は、連想するイメージによるものなのかを検証する。形態についての感性的総合評価は、デザインから"連想"する内容に大きく関連しており、形態から連想する内容は"情緒的連想"、"比喩的連想"、"機能的連想"に分けることができた。この三つの連想の評価値を説明変数として、総合評価値を目的変数とした重回帰分析では、"情緒的連想"が総合評価に大きな影響を与えていることがわかった。 2.形態に対して被験者の視線移動の特徴と形態の嗜好の関係について。視線移動の軌跡の調査では、デザイナーと非デザイナーの視線の移動軌跡の範囲は異なっていることがわかった。デザイナーは非デザイナーよりも視線の移動軌跡の範囲は広く、形態の周辺の余白にも注目していることが分かった。 3.形態に対する被験者の脳波スペクトルが示す快適度と嗜好の関係について。形態に対する総合評価に所要した時間量との相関関係が強いことが分かった。形態を評価するにあたり、最初の2秒間の脳波反応と20秒間経過後の脳波反応とは著しく脳波スペクトルの快適度が異なり、形態に対する評価は時系列的に変化している状況が観測された。 4.形態の総合評価は、脳波スペクトルのあらわす生理的快適度として計測できることがわかった。 製品デザインの形態に対しての感性的総合評価は、脳波計測と視点追跡とを同期させる計測システムを作動させて、その後に情緒的連想、比喩的連想、機能的連想のイメージ語を記入してもらうことによって、形態に対する快・不快反応がイメージ連想のネットワーク構造と深い関連のあることが分かった。
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